No.013
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Scene03
再会


部屋に入ってくるマキ。

助六
あ、マキちゃん!!

マキ
スケ、なんだか、少し、やせちゃったね。

助六
-----やっぱり、本当に見えないし、聞こえないんだなぁ・・・。

マキ
でも、良かった。脳波が、ちゃんと元に戻って。

助六
うん。ありがとう!ゴメンね、マキちゃん。なんか、オレも

マキ
私ねお医者さんが、脳波が戻るのは難しいって言うから------。

助六
たぶん、もう大丈夫なんだ。意識だけココに飛び出してて、あとは体に入れればそれで・・・。

そこへ、入ってくる看護婦。

看護婦
あ、こんにちわ♪

マキ
あ、こんにちは。

助六
チョリっすここで使えよぉ。

看護婦
どうすか?超奇跡の復活っすよ!マジびっくりじゃないですかぁ?

マキ
はい。

看護婦
どうしちゃったんですかぁ?もぉもぉ、丑年だけにもぉひとつもぉ!少し感動しちゃってくださいよぉ。

マキ
------は?

看護婦
うわ、今のひいてないっすか?マジ勘弁して下さいよぉ。うち、無理矢理大人に言わされてるだけだしぃ。

マキ
はぁ。

医者が入ってくる。

医者
チョリっすー。

助六
お前は言うのか。

マキ
こんにちは。

医者
どうだい、キノコたん?

看護婦
ばり元気です!(超笑顔)

医者
いやキノコたんのじゃなくて。

看護婦
あ、うち今きたとこですんで。

医者
んじゃ、わしが説明を。

マキ
はい。

医者
今朝、寿さんの脳波が、正常に戻りました。

マキ
はぁ。

看護婦
えへへ、うちのおかげ。

助六
そんなまさか!

医者
ところが、意識がまだ戻らないのです。

マキ
はい。

医者
一応、一通りの処置はしておりますが、特に変化はございません。

マキ
そうなんですか・・・

医者
しかし、落胆するには及びません。

看護婦
キノコ式ショック療法Uと言うモノがございます。

医者
でました奇跡を呼ぶならキノコ式!

助六
おい、また変な事するなよぉ。

看護婦
やっぱりぃ「チカラワザ」には限界がありますからぁ。

マキ
はぁ。

看護婦
だからやっぱり、最後に人を救うのは「愛」だと思うんです。

助六
愛?

医者
しかし一概に愛と言えども、その形は数知れず。

マキ
どうするんですか?

看護婦
うちが考えた方法は、いわゆる白雪姫方式と言うヤツです。

助六
なんだよいわゆるって。

医&助
もしかして、

医マ助
キッス?

看護婦
ザッツライト!

助六
えぇ!?

二人、マキを見る。

マキ
あの、言っている意味が・・・

助六
まさか、いや、そんないくらなんでも、人前でそんなことをねぇ〜。(もじもじ)

看護婦
私どもは最善を尽くしています。ご協力をお願いします。

と、医者が同意書を出す。

マキ
え?

医者
コレにはご家族の同意が必要なんです。よろしければコレにサインを。

看護婦が医者から奪い、くしゃくしゃにして微妙に広げて渡す。

マキ
あの、よく、読めないんですけど。

看護婦
ねらい通りです♪

助六
こらどういう意味だ?

医者
んじゃココへサインを。(ペンを渡す)

マキ
・・・・・・。(書く)

助六
マキちゃん、ありがとう!

看護婦
(ニヤリと笑い)んじゃ、そういうことで。どうぞ。

医者
え?わし?

助六
は!?

看護婦
えぇ、白雪姫は王子様のキスで目覚めたんですから。

医者
王子様?

看護婦
えぇ。うちの♪

助六
そんな、まさか・・・!

医者
それならいたしかたがあるまい。

助六
おい!

マキ
ちょ、ちょっと、何するんですか?

看護婦
白雪姫を知らないの?キスをすれば目覚めるのよ!

マキ
そんコト、ある訳無いじゃないですか。

医者
何を言っているんですか。何も行動を起こさず、出来ないとハナからあきらめてしまうのが現代人のいけないところです。

助六
言ってる事マトモだけど、やってる事おかしいだろ。

看護婦
もしも奇跡が起こったらどうするんですか?

マキ
でも・・・・。

助六
マキちゃん止めて!

医者
コレも治療だ。それに君はすでにその同意書にサインもしている!いざ!!

ベッドの助六にキスをする医者。

助六
うわ、か、感触が伝わってくる・・・・・。

マキ
-------。(顔を伏せる)

看護婦
きゃっ、ちぇんちぇい情熱的!

助六
ベ、ベロを入れるなぁー。

医者
ぷふーっ。どうだ?

看護婦、いろいろチェック。

不安そうなマキ。


看護婦
ちぇんちぇい、変化ありません。

医者
そうか、やっぱりダメか。

助六
何だよやっぱりって!

マキ
こんなの、ドコが治療なんですか??

助六
そうだそうだ!

看護婦
ちぇんちぇいを責めるのは止めて!

医者
キノコたん・・・。

看護婦
うちの病院は、極力お金がかからない治療法を考えて行っているの。

マキ
お金がかからない?

看護婦
考えてもみてよ。3ヶ月も植物状態を続けているんですよ。

助六
ん?3ヶ月??

看護婦
身よりのないこの患者のドコにその入院費用や診療費があるっていうんすか?

マキ
それは、屋台を売ったお金で、

助六
え?屋台?

看護婦
そっ、そんなお金、とっくに消えて無くなっちまってます!

助六
は?しかも無いの??

医者
よしなさい。そんな善意の押し売りなんてみっともない。

看護婦
だって、しばらく顔見にも来なかったくせに、知った口聞いてさ。

医者
まぁまぁキノコくん、望月さんにも都合と言うものがあるのだよ。

マキ
す、すみません。

助六
ま、まさかそんな------

医者
お金のコトなんて、気にせんでいい。何より彼は回復に向かっているんだ。退院してから、いくらかもらえば十分だ。

看護婦
ちぇんちぇい、------ステキ♪

医者
さて、彼の状態だが、いつ目を覚ませてもおかしくない状態なんだ。こうやって、周りで騒いでれば目を覚ますと思ったんだがなぁ。

マキ
------はぁ。

助六
マキちゃん、ど、どういう事だよ?オレの屋台は?

医者
ちょっとわしたちは席を外すから、いろいろ話しかけてやってくれないかな?

マキ
はい、わかりました。

助六
マキちゃん----!

医者
では、また後でキノコくんが見に来ますので。

看護婦
こういう場合、ちょっとぐらいイケナイことしても、いいと思います。

マキ
え?

看&医
ごゆっくり。

部屋を出ていく二人。

マキ
-------ヘンな病院。

助六
くそ、どうなっちまってるんだよ。

マキ
ねぇスケ、ホントにもうすぐ、-------起きちゃうの?

助六
え?

マキ
起きたら、リハビリとか、大変だよ。

助六
オレ、何でこうなってるんだよ?

マキ
右手も、ちゃんと動く様になるといいんだけど。

助六
右手?

マキ
でもその時は、可愛い看護婦さんいるし、大丈夫だよね。

助六
マキちゃん?

マキ
そのうち目が覚めたら-------私、

助六
ねぇ、マキちゃん、どうしたの?どうしちゃったんだよ??

マキ
あ、もうこんな時間。

助六
え?

振り向かず、部屋を出ていくマキ。

助六
マキちゃん-------。

-------暗転。




【3ヶ月?】


【屋台?】


【右手?】



【マキちゃん?】



【何もわかっていないのは】


【 たぶんオレだけ】




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※無断転載、無断複写を固く禁じます。上演許可申請の際はお問い合せよりメールを下さい。

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