No.012
[A day in the Life]


Episode04
[彷徨う魂]


そこはさっきの本屋『マグロ書店』。

競歩
変な2人だっただよねぇ。さらさきたん、僕もあの子達駅で歌ってるの見た事あるだよ。頑張る若者っていいだよねぇ。

ボンK
そ、そうですね。

競歩
あの子達、個性的だし、これから売れるかもしれないだよ。。さらさきたん、惜しい事しただよねぇ。

ボンK
え〜いくら有名になっても、あれじゃあなぁ。あ、あの、店長さんに聞きたい事があるんですけど。

競歩
さらさきたん、ごめんだよ。僕、独身だけど、うさこたんと生きていくと決めただよ。

ボンK
そうですか、残念です。はは。それなら、良かった。

競歩
ホントごめんだよ。

ボンK
あ、いいですいいです。あ、そうそう、聞きたい事が。

競歩
どうしただよ?

ボンK
いつも、夜中走っているんですよね?

競歩
何言ってるだよ、これは競歩だよ。僕の日課だよ。

ボンK
あ、すいません、競歩ですか。前に堤防沿いを歩いてて、うさこたんを落とした時がありましたよね?

競歩
え?なんでさらさきたんそんな事知ってるだよ。さすが僕のファンだよね。

ボンK
はは、やっぱキモイ。

競歩
それがどうかしただよ?あ、もしかしてうさこたんの座を狙っていたかだよ?

ボンK
いや、もうその話はいいから。それで、その時に何があったんですか?

競歩
それはこないだ話しただよ。女の子が川で溺れていただよ。

ボンK
溺れてた?女の子が??それ、私!?

競歩
いや、さらさきたんじゃないだよ。

ボンK
え、そうじゃなくて、まぁいいや。その子、どうなったんですか?

競歩
救急車呼んで運ばれただよ。その後は知らないだよ。友達だったかだよ?

ボンK
なるほどね。ちょっと店長。

競歩
ん?なんだよ?

と、競歩の肩を叩くボン。カザリが競歩に移る。

競歩K
じゃあ、お姉さん、後よろしくお願いします。

ボン
店長、おでかけでちゅ?

競歩K
あ、うん、ちょっと競歩してくるから。あ、これ邪魔だから預かっといて。

ボン
え?うさこたんいいんでちゅ?

競歩K
うん、あげる。んじゃ!

競歩男の競歩での疾走。

競歩K
寄り道なんてしてる場合じゃなかった。早く、私のカラダに戻らなきゃ。何日もおいといたら、死んじゃいそうな気がする。ま、勝手な想像だけど。よぉし、とりあえず、元の場所に行くゾォ!えっほっえっほっえっほっ・・・てキツイ!なんだよ、この競歩ってめちゃしんどいじゃん。やばい、このおっさんで行けるのかぁ?えっと、あ、よしよし、あの場所ちゃんと覚えてる。ん?うわぁ、めちゃ遠いじゃん。てかこんなしんどい歩き方、ずっと続けられないし。

と、うえるつが走ってやってくる。

うえるつ
見つけたぞお前。キッペエのコイガタキだな。オレがセイバイしてやる。

競歩K
え?ちょ、ちょっと待ってよ。セイバイとか意味わかんないし。私何かした?

うえるつ
お前が居なくなれば、ボンビーさんはドンベエのモノだよ。

競歩K
もぉ、間違えすぎだよ。

うえるつ
どえりゃー!

競歩K
ちょっと待ってよ!マジ危ないって。てかあんた、テッペエの事友達だと思うんなら、セイバイより先にちゃんと名前覚えてあげなよ。

うえるつ
・・・名前?テッペエ?あいつ、ヤパリ、名前、『テッペエ』だたのか。

競歩K
えぇ〜不確かだったの?

うえるつ
あってるかドウカ不安だたよ。そうか、ヤパリ『ゴンベエ』だたか。

競歩K
テッペエ。

うえるつ
あ、『テッペエ』。アリガと、お前、イイヤツね。僕、人コロスとこだたよ。

競歩K
えぇ〜本気だったの?

握手を差し出すうえるつ。
握手をする2人。


うえるつK
あっ、しまった!

競歩
あれ?僕なにしてるだよ?

うえるつK
あ、いや。

競歩
あ、うさこたんがいないだよ!どうしただよ?どうしただよ?

うえるつK
お店の店員さんに預けてきたけど。

競歩
なな、なんでだよなんでだよ。うさこたん〜!

と、競歩で走り去る。

うえるつK
何でまたこいつに戻るのヨォ、まったく。最悪。

と、テッペエが現れる。

テッペエ
うえるつどうしたんだよ、急に走り出して。セイバイって何の事?

うえるつK
え?何でもないよぉ。またこの2人揃っちゃったよ。

テッペエ
早く練習しに行こうよ。あ、ぶっつけで駅にやりにいく?

うえるつK
えぇ〜無理無理無理。しんじゃうしんじゃう。

テッペエ
何言ってるんだようえるつ〜うえるつが今日やりにいこうって言ったんじゃないかヨォ。

うえるつK
そそ、そうかも知れないけど、「わかるわかる」でしょ?

テッペエ
もぉ、ちゃんとタイトルで言ってよぉ、「アロエ」だよ。

うえるつK
アロエだがベロアだか知らないけど、私は無理だよ。あ、堤防に行きたいんだけど、イイかな?

テッペエ
あ、いいねぇそれ!堤防で歌うんだね!

うえるつK
あ、うんとりあえず。なんでもいいや。よし、疲れるまでこの人にはいっとこ。おっさんよりは体力あるでしょ!

と、疾走する2人。
と、ミミズクが通りがかり、テッペエにぶつかる。


テッペエ
あ、すいません。大丈夫ですか?

ミミズク
どこみてんのよ、もぉ。あれ?そのリコーダー。ひょっとして、あなた達、駅前でリコーダー吹いてる人?

テッペエ
え?はい!僕たち、uWatです!オイオイ〜うえるつもちゃんとやってよ。

うえるつK
え、あ、はい。

テッペエ
せーの、

て&うK
『うわっと』です!

うえるつK
あれ?お姉さんだ。

ミミズク
私、あなた達の取材をしたかったのよ。先週からずっと探してたんだから。

テッペエ
あ、僕ずっと曲作りをしていたモノですから。

うえるつK
えぇ〜うそ、何でこの2人を取材するの??

ミミズク
駅前に現れる、リコーダー2人のデュオて評判なのよ。私、町村ミスズっていいます。
東海地方だけのローカル誌なんだけど、私そこで特集くんでるの。『街のアーティスト』って記事のチーフをやってるんだけど、良かったらあなた達の取材をさせてくれないかなぁ。

うえるつK
えぇ〜マジで?お姉さん、この人達の歌、聞いた事あるんですか?

ミミズク
いや、私はないけど、口コミ情報が結構あったのよ。

テッペエ
え?どういう風に言われてるんですか?

ミミズク
あ、まぁそれは聞かない方がイイと思うけど。良かったら一曲聞かせてよ。

うえるつK
え、私無理、あんなの絶対無理。

テッペエ
何言ってるんだヨォうえるつ。僕らがやらないで誰がこのツインリコーダーを奏でるんだよぉ。このお姉さん?

ミミズク
なんで私がやるのよ。

テッペエ
ですよねぇ、さぁうえるつ行くよ!はい、準備して。

うえるつK
え〜、あ、お姉さんちょっと。

ミミズク
何?

と、ミミズクを触る。
カザリがミミズクに移る。


ミミズクK
コレでOK。

うえるつ
あ、テッペエ!ゴメンな、今まで名前ヨク間違えて。わざとじゃなかったよ。

テッペエ
どうしたのうえるつ?何で今のタイミングで謝るの?

うえるつ
テッペエ!歌おう!!

テッペエ
わかったよ、うえるつ!お姉さん、聞いて下さい。

ミミズクK
あ、熱くなってるところ悪いんだけど、やっぱりイイや。今それどころじゃないし。

テ&う
えぇっ!?

ミミズクK
あ、取材の話はタブン本当だから、また連絡あると思うよ。

うえるつ
テッペエ、僕たち、ニューヨークタイムズの取材ウケルのか?

テッペエ
いやぁあり得ないよ。中日新聞の夕刊だってあり得ないと思うよ。

うえるつ
僕たち有名人ね!僕、来年ソロデビュー目指すよ!

テッペエ
えぇ〜2人で頑張ろうよ。

ミミズクK
あった、コレ、この人の名刺、んじゃ、ヨロシクね。

テッペエ
あ、はい。コチラこそ、よろしくお願いします。

うえるつ
ヨロシクだよ!さぁ駅で歌いに行こう!サンペエ!

テッペエ
あれ?堤防じゃないの?てか僕テッペエだよ、うえるつ。

うえるつ
あ、そうか、ゴメンよゴンベエ。

テッペエ
ねぇ、わざとだよね。

うえるつ
ははは、アメリカンジョークだよ。

テッペエ
キミ、イギリス人だよね。

うえるつ
・・・・。

と、疾走するミミズクK。

ミミズクK
あ、そうだ、お兄さんトコ行って車に乗っけてってもらおう。場所は〜・・・あ、結構近いじゃん!よし、私のカラダ、待ってろよぉ!!

-----暗転。

カザリ(声)
待ってて、カザリ、私のカラダ。-----私は、ワタシが好きになれなかった。自分の思っている事を話さないワタシ。他人の言う事を何でも聞くワタシ。いいように使われているのに、笑って受け答えの出来るワタシ。決して怒らないワタシ。そして、『カザミドリ』と呼ばれているワタシ。私はワタシが好きになれなかった。高校に入って、私は、風間ミドリは、若干強引に、自分にあだなを付けた。「風間ミドリを、略して『カザリ』。中学校でもそう呼ばれていました!」なんて嘘をついて。待ってて、カザリ、私のカラダ。

Episode05へ


※無断転載、無断複写を固く禁じます。上演許可申請の際はお問い合せよりメールを下さい。

上へ戻る
目次へ戻る
台本一覧へ戻る
TOPへ戻る

fuzzy m. Arts