No.012
[A day in the Life]


Episode01-3
[魂のルール]

車のエンジン音。
車内のミミズクKと若旦那。

ミミズクK
・・・・。

若旦那
新年度始まってどう?

ミミズクK
どうって?やっぱり文系だしクラス女の子の方が多いんだよねー。

若旦那
え?

ミミズクK
え、あ、新入社員が、女の子が多い、とか、そう言う事。

若旦那
そうだった?こないだ使えない男が増えてイヤだって言ってなかった?

ミミズクK
うん、そうそう。困る困る。使えない男子困るよね。カッコ良ければまだいいけど。

若旦那
・・・なんか、ちょっと違う気がするかな。

ミミズクK
何が?

若旦那
さっきまで、イライラしてただろ、まぁいつも夜はそうだけど。

ミミズクK
そんな事ないってぇ。気にしないで。ちょっとテンションあがってんだって。あ!

若旦那
どしたの?

ミミズクK
私、今、ドコ向かってンの?

若旦那
ミスズさんの家だけど。

ミミズクK
そか。良かった。イキナリお泊まりとか困るし。

若旦那
あ〜、明日休みだし家来る?それか僕が行こうか?

ミミズクK
わわ、私、今日は疲れたし、1人がいいかなぁ〜、はは。

若旦那
そう?やっぱり何か変だなぁ。イヤな時はもっとハッキリ言うのにさぁ。

ミミズクK
若旦那ふざけんなよ。私1人がイイって言ってンだろぉ〜。

若旦那
・・・。

ミミズクK
なんてね、はは。

若旦那
何か、やっぱりちょっと違うよ。逆になんか機嫌よさげ。

ミミズクK
そりゃ、好きな人といたらそうなるよ。

若旦那
嬉しい事言ってくれるね。いつもそうだといいんだけど。

と、突然カザリが抜け出す。

ミミズク
・・・なに?いつもはそんなにイヤな訳?

若旦那
え・・・・そんな事はないけど。

カザリ(声)
あれ?抜け出した!?

ミミズク
すぐに言う事変えるし、わがままだし、そういうのイヤなんでしょ。

若旦那
そんな風に思ってないよ。

ミミズク
何で思わないの?

若旦那
何でって・・・。

ミミズク
私、自分の失敗を部下に押し付けるような人間よ。いつもそうよ、自分を取り繕うので精一杯で。私なんて、何も出来ないし。

若旦那
どうしたの?今日、おかしいよ。

ミミズク
もうイイや、降ろして。

若旦那
どうして?もうすぐだよ。

ミミズク
いいから。

若旦那
・・・わかったよ。ココでいい?

ミミズク
うん。

カザリ(声)
ちょっと待って。

ミミズクK
ちょっと待って。

若旦那
え?

ミミズクK
あれ?

若旦那
どうしたの?

ミミズクK
どうも、しないよ。私のうち、もうすぐ?

若旦那
うん、10分くらいだよ。

ミミズクK
うん。どんな家だっけ。

若旦那
え?やっぱり、送ろうか?

ミミズクK
いい。なんだか、本当に、この人、そういう気分じゃないみたいで、私もどうすればいいのかわかんないの。

若旦那
1階にエフマートってコンビニがあるところだよ。

ミミズク
何言ってるの?わかってるわよ。早くおろしてって。

カザリ(声)
あれ?また??

若旦那
わかったよ。

止まる車。

若旦那
ほんとに歩くの?

ミミズク
うん。

カザリ(声)えっ、ちょっと、待ってよ。

車を出て行くミミズク。

ミミズクK
あーもう、何だこの人、ムカムカする。何でこんなにストレス抱えてんだよぉ。なんで思ってること言わないの?意味わかんない。あーもう、ドコだよ、この人の家〜。とりあえず、この人の家でいいから寝たいよぉ。疲れたぁ。

と、そこへ椎竹が現れる。

椎竹
くぉんばんわ。

ミミズクK
こんばんは・・・え?どなたですか?

椎竹
あぁ、そういうこと言いなさるんですか。もう、退職するべき僕はあなたの記憶からも消されていると、なるほどそういうことですな。

ミミズクK
え?いや、そういうことじゃなくて、今日は、ちょっと、はは。忘れちゃったの。

椎竹
何ですかな、その理由は意味がわかりませんぞ。ホントに、人をバカにするのも甚だしい。くぅ!

ミミズクK
うわ、怒ってるの?

椎竹
コレでどうですか。(と、退職願を出す)コレで気がお済みになさるか。僕はアナタのいいなさることを忠実に聞いてきた部下ですぞ。コレで気がお済みになさるか。え?え?
コレで気がお済みになさるか。コレで気がお済みになさるか?

ミミズクK
ごめんなさい、その、私、今夜は気分悪くて。

椎竹
え、そんなことを言いなさっても、だまされないですぞ。

ミミズクK
うぅん、本当なの。

椎竹
そ、そうなのですか。大丈夫ですかな?(と、ミミズクに触れてしまう)

ミミズク
ねぇ、ちょっと、こういうのやめてくれる?私、彼氏もいるのよ。

椎竹K
え?あ、はい、ごめんなさい。なんていうか、私もそんなつもりはないとは思うんです。

ミミズク
はぁ?何言ってるの?

椎竹K
えっと、あ、うん、なんでもないです。おやすみなさい。

と、去ろうとする椎竹K。
しかし、カザリは椎竹から追い出される。

椎竹
お待ちなさって。
今日こそは、はっきりさせたいんですぞ。ミミズクさん。

ミミズク
ミミズク?何言ってんの?
名前もロクに覚えられないの?「ミスズ」よ。

椎竹
知ってるでしょうに。アナタが部下からミミズクって呼ばれなさってるのを。

カザリ(声)
また追い出された。

ミミズク
それが何だって言うの?

椎竹
わかっておられないのか?
私はアナタが、無能な上司だとは思いません。だからこそ、アナタに従って仕事をしております。
でも今日のアナタはあんまりです。部下に向かって「退職願」を書いて来いなんて言うべきではないですぞ。

ミミズク
何言ってんのよ。アナタが悪いんじゃない、ミスばっかりするんだから。

椎竹
何を言いなさるか?
今日のミスはアナタの伝達ミス、及びチェックミスですぞ。それは誰が見たって明らかですぞ。
このまま私が辞めるのは構いませんが、あなたはこのまま会社にはおられませんぞ。それをわかっておりなさるのか?

ミミズク
------。

カザリ(声)
謝って。

ミミズク
え?

カザリ(声)
ちゃんと、謝って。この人、あなたの事を、信頼して言ってるの。

ミミズク
・・・・。

椎竹
------ 。

ミミズク
ごめんなさい。

椎竹
ふざけなさるなっ!えっ!?

ミミズク
あなたのせいにしてた。私のミスをあなたのせいにした。私、自分の事を、守るのが精一杯で。初めてのチームがうまく回らなくて。そういうのが大変で。ごめんなさい。

椎竹
そ、そう思ってるなら、言ってもらえたら、それでいいですのに。

ミミズク
うん、ごめんね。明日からもよろしく。

----暗転

カザリ(声)
私は、誰かのカラダを借りれば、自由に動く事が出来る。自由に?もぉ、全然自由じゃないし。触るとかってに移っちゃうし。たまに勝手に追い出されるし。うん、なんかやっかい〜。とりあえず、このお姉さんに乗っかっとこっと。さて、お姉さん、ついでに、もう1つ謝まっとこうよ。

電話をするミミズクと若旦那。

ミミズク
ねぇ、私、嫌な女じゃない?

若旦那
そうは、思わないよ。

ミミズク
どうして?私、会社で、ミミズクって呼ばれてるの。

若旦那
ミミズク?「ミスズ」だから?

ミミズク
夜になると、ヒステリーになって、ぐちぐち言い出すから。

若旦那
誰だって、夜遅くまで仕事してたら嫌になるよ。

ミミズク
そうかも知れないけど、みんな、我慢して頑張ってるのに。私だけ、みんなに当たっちゃって。若旦那にも。
-----ごめんなさい。

若旦那
どうしたの?今日は、何か変だよ。

ミミズク
今日はわざわざ迎えに来てくれて、ありがとう。おやすみ。(と電話を切る)何でだろ。今日は変に素直になれる。いつもの私じゃないみたい。

----暗転




【ありがとう】

【そう言ったのは、久しぶり】




【ごめんなさい】

【そう言ったのは】

【もっと久しぶり】





カザリ(声)
私はお姉さんのカラダを借りて、ぐっすりと眠る事が出来た。
眠っている場合ではないけど、私はぐっすり眠った。明日は休みと言っていた。だから、別にイイだろう。とりあえず、休息は必要。
何だか、お姉さんの記憶と、私の感情がごちゃまぜになりそな感じになる。このお姉さん、かなり強がりなんだ。とっても弱い人なのに。やっかいな人。
私はこんな大人になりたくないな、なんて考えていた。

さてと、今日はちゃんと自分のカラダに帰りますか。
帰るって言ったってな。どうすればいいんだろ・・・。彼氏さんに助けてもらおうかな。説明してわかるかなぁ。
とりあえず、昨日の場所に行ってみようかなぁ。

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