No.林
[ e-てんき ]


Episode09
午後二時<<まさかづ版>>



舞台上、テッペエにライト。

テッペエ
uWatの歌、覚えて頂けました?聞いての通り、思い切りパクりですけど、前回好評だったんで、歌ってみました。ほくろの歌と合わせて耳から離れなくなっていたら嬉しいです。
さて、次は『午後二時』という作品です。これは『緑の塔』と同じく、団長が遠い昔に書いた短編なのですが、今回はまさかづ版とてんき版にアレンジしてみました。
元が同じ、2本の作品、どちらが面白くなっているでしょうか?
それとも、どちらも大して面白くなくなっているでしょうか??
2本続けてお楽しみください。

-----暗転。





【Epsode09:午後二時】




【まさかづ版】





セミの鳴き声とお経のハーモニーが響き渡る炎天下。

祖父
あれ?隼人は?

はるみ
さっき部屋に行った。子どもにはキツイって。ホント、私も熱中症になりそう。

祖父
何に熱中じゃ?関ジャニエイティーか?

はるみ
多すぎだよ。80人もいたら覚えらんないし。

祖父
1人減ったんじゃ!

はるみ
ママ、もうすぐ終わるみたいだよ。

ママ
言われなくてもわかってるわ。

祖父
短く頼むぞ。思い切り短くてもいい、2秒でいい。

ママ
2秒で何が言えるんですか、こんにちは、も言えない。こんに、はい終了、ですわ。大体、長くしゃべれば私まで死にます。

祖父
いや私の方が先だな。

ママ
私ですわ。お義父さん、なんだかんだ言って、ドコも悪くないじゃないですか。ホント、こんなはずじゃなかったのよ。

はるみ
ちょっとママ、喪主なんだからちゃんとやって。。

ママ
ねぇ、あんた中学校の時に放送委員やってたんだからそういうの慣れてるわよね。

はるみ
ピンポンパンポーン、放送委員より全校生徒への連絡です。只今より、喪主の挨拶を行い舞ます。運動場で遊んでいる生徒は、教室へ戻って下さい。ってそんな事やった事ないから。

ママ
お義父さん、自分の子どもなんだから、自分で責任とって下さいよ。

祖父
やっぱりワシの出番か!(ガッツポーズ)

はるみ
おじいちゃん、ガッツポーズしない!

ママ
はるみさん!

はるみ
何?

ママ
パパの隣にもう一つ棺桶用意した方がいいわね。

祖父
俺の分か?

ママ
私の分よ!

はるみ
ふざけてないでよ。そんな事ばっかり言ってて、パパに悪いと思わないの?

ママ
思うわよ、パパが悪いって。

はるみ
パパに、よ!

お経が終わる。

祖父
おい、坊主が倒れたんじゃないか?

はるみ
お経が終わったの。ママ、出番だよ。

ママ
あら、もうオヨビがきたの?私は天国に決まりね。

祖父
えみこさんがいっちまったら上手い朝飯が食べられなくなる・・・。

ママ
お義父さん、朝ご飯朝ご飯って毎日3回以上お食べになるものね。

はるみ
ママ早く!みんながこっち見てる。

ママ
あらまぁ。はるみさん、再婚相手はどの方がイイかしら。

祖父
えみこさんモテそうだからなぁ。

ママ
ドモホルンリンなんとかのおかげよ。

はるみ
そんなことはいいから。

祖父
ドモホルンちゃんぷるじゃ。

ママ
ホルマリンサンプルだっけ?

はるみ
違う!ママ早くして。みんなも辛そうだから。

ママ
そうイライラしない。えー、ご来場の皆さま。よくもまぁこの炎天下の中、

はるみ
え?

ママ
こんなに多くの被害者にお集まりいただき、

はるみ
参列者!

ママ
なんてあの人は迷惑な人なんでしょう。

はるみ
恵まれた!

ママ
では、出棺です!

祖父
敬礼!

ビシっと敬礼を決めるママと祖父。

ママ&祖父

たーたーたー、たーた、たーたたーたたー。(ゲームオーバーの音楽)

はるみ
まったまった、早い早い。ママ、お願いだからもう少し続けてくれる?

ママ
もうママ限界。早くこの場を去りたいの。

はるみ
お願い、パパが可哀想だから。事故で死んだのに、パパは何も悪くないでしょ?

ママ
でも、早くしないとパパ腐っちゃうわよ。

祖父
サランラップまいとけばよかったな。

はるみ
気持ち悪いって。

祖父
じゃあタッパーに。

はるみ
入らない。

ママ
えー、では、喪主のアイサツ、最終章をお届けします。

祖父
よっ、待ってました!

はるみ
黙って。

ママ
本日は、誠に大変良い、天気に恵まれまして。敢えて、こんなe-てんき、どうして、こんな、故人はバカよ!バカ!!

はるみ
ママ!ママ、しっかりして。

ママ
は!?私、今何か言った?

はるみ
もういいから、早く終わらせて。

ママ
はい。皆さま、本日は大変ご苦労様でした。それでは出棺致します。

はるみ
ゴメンねパパ。こんな葬儀になっちゃって。

ママ
はるみ、見てご覧なさい、きらきらゴージャスなタクシーが来たわよ。

はるみ
霊柩車だって。

祖父
俺コレ欲しい。

はるみ
買えません!

祖父
ミニカーでもいい。

ママ
そうだわ、最後にもう一度パパの顔を拝んでおきましょう。

はるみ
うん、そうだね。

3人、棺桶をのぞく。

祖父
安らかな死に顔だわい。

ママ
ほんとね。こっちは汗だくだっての言うのに、汗ひとつかいてない。

はるみ
かいてたら気持ち悪いよ。

祖父
ええなぁ、ドライアイス。

ママ
お一つ私も。

はるみ
やけどするから!

ママ
あなた、私今日初めて、あなたのことをわずらわしく思ったんだと思う。一生忘れない。

はるみ
なんてコト言うの?

ママ
さ、行きましょうか。

祖父
えみこさん、朝ご飯はまだか?

ママ
もうお昼よ。

祖父
お昼の朝ご飯じゃ。

はるみ
あぁ、早く霊柩車に乗りたい。

暗転----バタン。

3人
・・・・・あぁ涼しいー、天国だぁ。

祖父
おい、棺桶は?

ママ&はるみ
あ。

END


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