No.009
[ 20 till I die ]


Scene07

[なまこちゃんと鮫島先生となまこパパ。]






【2004年3月25日木曜日】



鮫島医院。

なまこが遠くを見ている。
後ろから鮫島が現れる


なまこ
・・・。

鮫島
何考えてるの?

なまこ
アキラさんの事ですじゃ。

鮫島
あら、恋しちゃった?

なまこ
かんべん。

鮫島
だったわね。

なまこ
アキラさんは、どうして、いつも明日が3月28日だと思ってるんですじゃ?

鮫島
んー、どうしてかしらね?何かがショックで迎えるのをやめてしまったのかもね。

なまこ
何がショックなんですじゃ?

鮫島
さぁ?アキラくんは、誰かに逢うって言ってたのよね?

なまこ
そうですじゃ。大切な人に逢うって。

鮫島
そうかぁ。何かがあったのかもね、その人とのことで。

なまこ
何か?

鮫島
ちょうど土曜日はお手入れの日だから、たまにはちゃんとしたカウンセリングでもしてあげるわ。いつまでもあのままじゃ、本人も妹さんも可哀想だものね。

なまこ
アキラさんを助けてあげてほしいですじゃ。

鮫島
もちろん、それが私の仕事だもの。

と、そこへ嬉野(なまこパパ)が現れる。

嬉野
こんにちは。いつもお世話になります。

鮫島
あら、こんにちは。良かったわね、今日はパパが来てくれて。じゃあね。

鮫島、出ていく。

嬉野
菜々子、ここにいたんだね。

なまこ
パパ、どうしてここがわかったの?

嬉野
パパにはなまずの精霊さんの臭いがわかるんだ。だから菜々子のいるところがわかるんだよ。

嬉野
ぶりぶり、ぶぶーり。

精霊(ナマコ)
ぷぷぷ、ぷにーぷ。

嬉野
ぶぶぶり、ぶりーぶ。

なまこ
パパ、わかるの?

嬉野
もちろん。パパは菜々子のパパだから。パパも研究したんだよ、なまずさんの言葉。

なまこ
なまずの精霊さんだよ。

嬉野
そうだ。精霊さんだ。

精霊(ナマコ)
ぷにぷに。ぷぷぷ。

嬉野
ぶぶぶり。ぶぶり。喜んでいるね?

なまこ
うん。

嬉野
精霊さんは、教えてくれるかなぁ。

なまこ
教えてくれるよ。地震のこと。

嬉野
そうか。これでもう、大丈夫だね。パパにも言葉がわかるんだ。

なまこ
うん。

嬉野
菜々子、パパはね、菜々子の大切な人を失ってしまった。大切な人を守れなかった。10年経っても、パパにはそれは忘れられない。

なまこ
パパ。パパは、パパの大切な人を失ってしまったんでしょ。

嬉野
そうだよ。パパにとっても大切な人だ。でもね、菜々子も大切な人なんだよ。

なまこ
うん。

嬉野
どれだけ時間が経っても忘れられないことはある。菜々子、今までパパは、それを忘れて進もうとしてた。でも大切なのは認めることだ。菜々子はパパにそう言いたかったんだろ。菜々子はパパが忘れようとしているのが嫌だったんだ。

なまこ
・・・。

嬉野
パパは認める。全部を認める。つらいこともあるけど、パパは認めるよ。また、地震があっても、今度は、精霊さんが助けてくれる。パパも菜々子も精霊さんの言葉がわかるんだ。

なまこ
うん。

嬉野
菜々子、パパと一緒に帰ろう。

なまこ
うん。

------溶暗。

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