No.009
[ 20 till I die ]


Scene05

[アキラは毎晩電話をかけている。]






【2004年3月23日火曜日】





【午前2時】



電話をしているアキラ。
客席へはキョウコの声は聞こえない。


キョウコ
じゃあ、明日ね。

アキラ
うん。場所は?

キョウコ
栄にする?

アキラ
キョウコさんとこの駅まで迎えにいく。

キョウコ
いいよぉ。花村くん、遠回りになっちゃうじゃん。

アキラ
そうだけど、別にいいよ。行くから。早く逢いたいし。

キョウコ
そんなにかわんないでしょ。

アキラ
違しは違うでしょ。

キョウコ
だけどそう言って花村くんいつもちょっと遅れてくるじゃん。

アキラ
あ、ごめんなさい。

キョウコ
うぅん。別にそれはいいのよー。

アキラ
明日は、ちゃんと行くから。

キョウコ
うん、わかった。じゃあ六番町の駅でね。

アキラ
・・・・。

キョウコ
返事はー?

アキラ
あ、うん。

キョウコ
どしたの?

アキラ
久しぶりに逢うよね。

キョウコ
そだね。電話はよくしてるけど。

アキラ
なんかさ、嬉しくて。

キョウコ
またまたー。そんなこと言って。

アキラ
ホントだから。

キョウコ
そっかぁ。ありがと。

アキラ
うん。

キョウコ
でもさぁ、花村くん、私に会って何か面白いことある?

アキラ
別に面白いとかじゃないし。

キョウコ
じゃあどうして?

アキラ
どうしてって・・・どうしてそういうこと聞くの?わかってるでしょ?

キョウコ
え?わかんないよぉ。

アキラ
・・・。

キョウコ
何?

アキラ
前から言ってるじゃん。

キョウコ
そうだっけ?

アキラ
・・・好きだから。

キョウコ
・・・そう。ありがと。

アキラ
うん。前から言ってる。

キョウコ
ごめんね。

アキラ
いいけど。

キョウコ
私も、花村くんのこと、好きよ。

アキラ
ありがと。でも、キョウコさんの好きは、ボクのと違うでしょ。

キョウコ
どうして?

アキラ
友達みたく、でしょ?

キョウコ
友達でしょ?

アキラ
友達だけど、ボクのはそういう好きじゃないから。

キョウコ
違うの?

アキラ
違う。本当に、好きなんだから。

キョウコ
本当に、ねー。

アキラ
うん。

キョウコ
あのね、明日、花村くんに話したいことがあるの。

アキラ
話したいことって?

キョウコ
明日話すから。大事なこと。

アキラ
大事なこと?

キョウコ
うん。

アキラ
・・・うん、わかった。じゃあ明日ね。

キョウコ
うん、おやすみなさい。

アキラ
・・・。

キョウコ
おやすみはー?

アキラ
あ、ごめんなさい。おやすみ。

キョウコ
うん、おやすみ。

アキラ
・・・・。

そこへ、タエコが現れる。

タエコ
・・・お兄ちゃん?

アキラ
あ。

タエコ
どうしたの?

アキラ
え?あ、のどが渇いてさ。お前はどうしたの?

タエコ
私ものどが渇いて。なんか今日乾燥するよねぇ。

アキラ
もう、春だからなぁ。

タエコ
そうだねぇ。

アキラ
じゃあ、おやすみ。

タエコ
・・・ねぇ。

アキラ
何?

タエコ
さっき誰かと話してた?

アキラ
-------いや。どうして?

タエコ
お兄ちゃんの声が聞こえた気がしたから。

アキラ
独り言だよ。気にすんなって。

タエコ
そっか。おやすみ。

部屋を後にするアキラ。
タエコ、水を飲む。
電話の受話器があがっているのを見つける。


タエコ
----?

ため息をつき、あたりを見回すと、ケータイ電話のラジオをつける。

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