No.008
[ ダカラ僕ハ此処ニ居ル ]


Scene14
朝(Outro)



中央にはユーケイ。
博士はシンになっている。


シン
そらはあれきり僕の前には現れなかった。
彼女の親が離婚して、母親の実家に行ったからだ。九州だった。
それしか母さんは教えてくれなかった。僕はしばらくして描きかけだったマンガを描き上げた。そらが読みにきてくれるのを楽しみにして、なるべく終わらないようにしていたマンガを。でも、そのマンガの主人公は最後に死んでいた。
僕は、自分で、自分のつくった存在を殺していたんだ。

シンは博士になっている。

博士
-------でも、もう、殺してはいけない。私は自分が生きていく中でそう決めたんだ。
死ぬな、死ぬんじゃない。私は生きた、生きたんだ。ユーケイ、君も生きろ。立ち向かってくれ。自分の運命に立ち向かうんだユーケイ。過去も未来も、遺伝子も宇宙も関係ない!今、此処にあるモノが君の全てだ。君は死んではいけない。
・・・・・立ち向かえ、君は未来を生きるんだ!

ドクン!

ドクン・・・ドクン・・・・



大きな鼓動が鳴り響く。


立ち上がるユーケイ。


ユーケイ
・・・・父さん・・・。

博士
・・・・・。

ユーケイ
母さん、みんな・・・。

パパ
・・・進化か・・・?宇宙のキセキが進化をもたらしたのか?

ベベ
ユーケイさん・・・・。

コマチ
お兄ちゃん・・・・。

ひみこ
あたしの・・・チカラじゃないわ。そんな、生き返るなんて。

パパ
進化だ。彼は進化を遂げたんだ。

ベベ
パパ、違う。そんな短時間で進化だなんて。

ブル
何だっていいですよ、ユーケイさんが、今、ここに立っているんです。

コマチ
よかった・・・本当に、よかった・・・。

ひみこ
ユーケイちゃん・・・。

ユーケイ
・・・・・・・・。

博士
ユーケイ、君は、私の最愛の息子だ。生きていてくれて、ありがとう。

ユーケイ
父さん、・・・・ありがとう。

ブルー暗転。

ユーケイだけを残し、他の人たちは立ち去る。


ユーケイ
2034年、11月21日、僕は死んでいた。
あの部屋いっぱいに広がる星を見たとき、僕は最期の夢をみた。
死ぬ前に見る走馬灯のような、というやつだろうか。自分の生きた20年間の歴史をさかのぼり、ついには記憶にない、記憶が蘇ってきた。そして、あの夢に見た、ピンク色をした何かをまた見ることが出来た。

そのあと、僕はなにもかもふっきれ、とてもさわやかな気分になった。
眠れぬ夜を明けた翌朝のような------

前の晩のことをすっかり忘れ、新しい朝を迎えたような・・・
その時僕はこうつぶやいた。

その時僕は、こう、つぶやいた。

だから 僕は 此処に居る-------。






【世界は果てしなく】




【限りなく広がっている】





【しかし】




【現実は今此処にあるもの全て】





【そして】




【世界と共に】




【生命も果てしなく続く】





【今此処に】




【あなたが居るから】















【fuzzy m. Arts No.008】





【ダカラ僕ハ此処ニ居ル】





【Never end...】







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