No.006
[ Re:make ]


Scene04
[ 12年前(両親)]


チャイムの音。

パパ
ん?あ、多分亀吉おじさんだよ。見てきてごらん。

アイル
うん!

案の定亀吉。

亀吉
アイルちゃんこんばんわぁ。

アイル
こんばんわぁ。

パパ
兄さんいらっしゃい。

亀吉
おうおうおう、おら抜きで誕生日ぱーてーかい?

ママ
ちょうど今からよ。

亀吉
もうロウソクの火が消してあるでねぇか。コレって今からって言うだか?

ママ
あ、ちょうど今始まったってかんじかな。

亀吉
ロウソクの火消しってメインイベントでねぇだか・・・・?

パパ
あ、そうそう、今からプレゼント渡すところだったんですよ。

亀吉
そっか、そっちの方がメインだな。よしよし、と。

ママ
じゃあまずはママから。はい。(と包みを渡す)

アイル
ありがとう〜。

ママ
開けてみて!びっくりだから!

アイル
なぁに?びっくりするヤツなの?

ママ
うぅん、ちょっと違うかな。まぁいいからいいから。

と、包みを開けるアイル。

アイル
げっ!

ママ
はいはい、みんなに見せてあげて!じゃ〜ん、目玉が飛び出たびっくりミッフィーで〜す。

パパ
なるほどびっくりだ・・・・って使い回しじゃん!

ママ
てへっ。

アイル
ははは・・・ありがと。

亀吉
じゃあおじさんからはコレで〜す。(と包みを渡す)

アイル
おじさんありがとぉ!

亀吉
なにかななにかな〜。

アイル
・・・・。(覗いて止まる)

ママ
なんだったの?

アイル
コレ・・・・。

ママ
(覗いて)・・・・兄さん・・・?

亀吉
シルク100%のTバックでぇす!コレでアイルちゃんも大人の女性だな、ははは。 パパ
兄さん、コレどこで?

亀吉
え?買ってきただよ。

ママ
拾ったでしょ。

亀吉
げ?何で?何で知ってんの??

ママ
兄さん最低・・・・。

亀吉
アイルちゃんすまん!許してけれ。おらお金無くて、困ってたとこに、丁度コレが落ちてただ。未使用みたいだったし、女の子だし、いいかなぁと思っただども・・・。すまん!本当にすまん!

アイル
いいよ、おじさんありがと。気持ちだけでも嬉しいから・・・。

亀吉
ありがとうアイルちゃ〜ん。・・・ところで、栄吉くんからは何かないのかい?

パパ
えとぉ、そうだっ、パパからは、コレをあげよう。(と、カメラを渡す)

ママ
なんですか、そんな即席に。

パパ
いいじゃないか。いいかいアイル。コレは、パパのパパ、アイルのおじいちゃんからの形見だ。アイル、大事にするんだよ。

アイル
・・・・・・うん。

亀吉
そうだ、おらからもう一つプレゼント!

アイル
え?まだあるの?

亀吉
でもコレは、アイルちゃんにじゃなくて、アイルちゃんを誕生させた、2人の恩人にだよ。

パパ&ママ
えぇ?

亀吉
はい、栄吉くん、日帰り温泉旅行ご招待券2名様〜。

ママ
兄さん、コレどうしたの?

亀吉
いやね、いつも世話になりっぱなしだから、コレぐらいはしないとねぇ。

パパ
兄さん、ありがとう。

ママ
いいの?温泉なんて素敵!

亀吉
でもちょっと急なんだよねぇ。

アイル
あ、それ・・・・・!

亀吉
ん?どうかしただか?

アイル
うぅん・・・・。

亀吉
そか?

パパ
急ってどういうコトですか?

亀吉
ちょいとした日帰りバス旅行なんだけど、ほらココ見て。明日なんだよねぇ。

ママ
なんでそんな急なんですか?

亀吉
いやね、ずっと前に抽選があった町内のくじで当たってたんだよねぇ。今券もらって来たんだども、おら1人で行ってももったいないしなぁ、と思ってさぁ。

パパ
そうなんですか。

亀吉
もらってくんねぇ?

ママ
ねぇ、せっかくなんだし、行きましょうよ。

パパ
そうか?アイル、いいかな?

アイル
う、うん・・・・。

ママ
日帰りだし大丈夫よね。

亀吉
まぁ明日はおじさんトコにいるといいだよ。

アイル
・・・・うん。

ママ
じゃあ兄さんお願いね。

亀吉
まかせとき!じゃあおらちょっくら脱糞してくらぁ。

ママ
じゃあ私、後はかたづけしてくるわね。

パパ
うん、後でいいからお茶入れてくれないかな。

ママ
了解!アイルはもう遅いから寝なさいよ。

アイル
うん・・・。

パパ
どうした?元気ないな・・・。やっぱりびっくりミッフィーとTバックと古びたカメラじゃ不満だったか?当然だよなぁ。

アイル
うぅんそうじゃないの。

パパ
じゃあどうした?

アイル
ねぇ、明日の旅行、やっぱりやめにしない?

パパ
どうしたんだい、突然。

アイル
・・・嫌な予感がするの。

パパ
何だよ縁起でもない。せっかくママが楽しみにしているし、たまにはママ孝行させてくれよ。

アイル
じゃあ私も連れてって。

パパ
そういわれてもなぁ。券は2枚しかないし。

アイル
お願い!じゃあやめにして。

パパ
じゃあこうしよう、もうすぐ冬休みだから、その時に3人で旅行しよう。いいね?ゆっくり2泊ぐらいしてさ。

アイル
・・・・・・。

パパ
パパがスキーを教えてやるよ。パパこう見えても上手いんだぞっ。モーグルだけどな。シャッシャッシャッっと、な!

アイル
・・・・・。

パパ
な、そうしよう。いいな?

アイル
・・・・・。

パパ
そんな顔するなよ。せっかくのアイルの顔が台無しだ。

アイル
うん・・・・。

パパ
じゃあ、もう遅いから、寝よう。

アイル
うん・・・。

パパ
アイル、お誕生日、本当に、おめでとう。パパはね、お前が生まれてきてくれて本当に感謝してるよ。アイルはパパとママの宝なんだ。生まれてきてくれて、ありがとう。

アイル
うん・・・私、パパとママが大好きだよ。

パパ
ありがとね、オヤスミ。

パパ
オヤスミおやすみなさい。

パパ、去る。

死にガニE
結局、たいして、変わらなかったなぁ。

アイル
・・・・そんなこと、・・・無い。

死にガニE
このまま、明日を迎えてしまうんだよ。そうしたら・・・・。

アイル
このカメラね、あとからおじさんにもらったの。

死にガニE


アイル
パパの形見として。でも今は・・・・、パパが私に直接くれたの。私、それで十分。

死にガニE
そうか・・・、あんたがそれでいいならいいや。

アイル
ありがと。

死にガニE
オレは何もしてないよ。

アイル
うぅん。ありがと。あなたのおかげよ。

死にガニE
・・・・さて、記憶の旅もコレで終わりだ。

アイル
え?

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※無断転載、無断複写を固く禁じます。上演許可申請の際はお問い合せよりメールを下さい。

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