No.006
[ Re:make ]


Scene00
[プロローグ(終ワリハ必ズ訪レル)]


舞台中央に大の字になっているアイル。

足下のに古いカメラが転がる。


アイル
寒空の中、私は道路の真ん中で横たわっていた。私自身に何が起きたのかわからない。ただ、ぼんやりと、目の前に落ちてくる雪の粒を、じっと、じっと、目に入るまで見ていた。

ゆっくりと起きあがるアイル。

アイル
私の・・・・ココロは・・・・もう、消える。消えて無くなる。・・・・過去、忘却、消滅。

今思うと・・・私の人生とは、何だったのか。どんな意味があったのか。そんなことを当たり前の様に思い、そして、その無意味さを知る。欲求のまま生かされ、私の意志ではないところで、ただひたすら時間を消耗する。

時は無情にも急速に過ぎ去り、ほんの短い時間の間に、人は消える。無限の命がそうして、生まれ、消え、無限に繰り返す。私はその中の1つ。世界は広く。私はあまりにも小さな存在。それを意識して、生きる事なんて出来ない。私は、私の世界を、思う存分生き、そして死んでいく。それでいいはず。広い世界は、私とは、無関係。

でも、最後の意識で私は思う。

・・・・・・・・なんだこりゃーーーーーーーー!!!! こんなんでいいのかぁーーーーーーーー!!!!! だぁあああああ!むかつくぅーーーーーー!!!!!! あぁぁぁぁ、何なんだ私の人生は!!!!めちゃめちゃ不満が残る!!!!!! やいやいやいやぁ!!!!

そこに【死にガニ】が現れる。

死にガニT
・・・・・うるさい。

アイル
え?

死にガニT
うるさいって。

アイル
・・・・・・。

死にガニT
なに?文句あるの?誰に文句言ってんの?

アイル
・・・・自分。

死にガニT
なら、自分に向かっていいなよ。

アイル
え?

死にガニT
はい。(手鏡を渡す)

アイル
--------ありがと。

死にガニT
じゃ。

去ろうとする死にガニ。

アイル
あのさ。

死にガニT
何?

アイル
あなたは・・・?

死にガニT
あんた、オレ見てなんだと思うの?

アイル
え・・・・・、と、死にガニ?かな、ははは。

死にガニT
ならそれでいいんじゃないの?あんたの中でオレが死にガニだと思うんならそれで。でも一般的に考えて、こうやって自分と話の出来る生き物を見て死にガニだと思うヤツはどうかしてるよね。そこのあなた死にガニとしゃべったことある??無いよねぇ。この人普通に死にガニと喋れるんですってぇ。すごいねぇ。こりゃ次期ムツゴロウさんだね。いや、それ以上だね。甲殻類としゃべれるんだもん。

ムカついたアイル、死にガニを殴る蹴る。

アイル
!!!!

死にガニT
ちょ、ちょちょちょ、ちょっと!暴力反対!・・・・ドメスティックバイオレンスだよこりゃ。DVだよ、DV。

アイル
あぁ?(蹴る)

死にガニT
ちょっとぉ、止めてよ。ほんっとマジ勘弁。こういう人。だからイヤなんだよね、女のヒステリーって。

アイル
えぇ?

死にガニT
もういいって。ひくよ、ホント、マジで。

アイル
あなた何者?

死にガニT
・・・・何に見える?

アイル、構える。

死にガニT
ちょちょちょ、ちょっと、冗談だって。オレ、死にガニだよ。ココんとこにはさみあるだろ、ほらほら。

アイル
死にガニが私と喋れるわけないじゃない。

死にガニT
さっき言ったこと根に持ってるの?んもう、イヤだなぁ・・・。

アイル
!(パンチ)

死にガニT
だからやめろって!ちっこいから下から入って痛いんだよ。大体グーでなぐんなよ。チョキはグーに負けるんだからさぁ。

アイル
!(張り手)

死にガニT
たんま、パーもダメ。

アイル
それでアナタは?何なの?

死にガニT
オレは・・・・・・【死にガニ】!!!

アイル
・・・・・・!!!!

アイル、死にガニTを殴る蹴る。

--------暗転。





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【 No.006 】




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