No.005
[ c・lover ]


Scene06
[ 同じ夜 ]






【 夜 】





オサムとはなが、それぞれに電話をしている。

ちかはパソコンを打っている。


オサム
・・・あなたがこの環境を恨むのもわからないでもないの。
私だって、ある朝突然、お母さんがいなくて、お父さんがお母さんになってた日にゃあ、そりゃたまげたわよ。でもね、お父さん、一生懸命だったのよ。あなたも、もうよくわかってると思うけど、ウチは高岡組5代目なの。立派なヤクザなのよ。あなた達には、不憫な思いをさせたくないからって、この世界の人達には白い目で見られても、お父さんは、お母さんにもなって、一生懸命頑張ってた。
だから、私は、・・・・そんなお父さんを、誇りに思っている。ただ、お父さんは、この世界では、1人ぼっちになってしまったの。だからね、私はお父さんを1人ぼっちにしたくないから、オカマヤクザとしての教育をしてきたの。
ねぇ、私に免じて、オカマヤクザの誇りを持ってちょうだい!

はな
ほんっと、ホコリ一つありゃしない。そうそう、ユースケさんがそのうち来るって言ったら、急に掃除はじめちゃって。すっごいキレイにしちゃってたよ、お母さん。別にスグに来る訳じゃないのに、いつ来てもいいように、だって。・・・え?水曜ね、大丈夫だよ、忘れてないって。でも、やっぱり西川くん達に悪いことしちゃったかなぁ・・・。うん、やっぱり、多少ユースケも強引なところ直してほしいな。
別にイヤじゃないんだけどね。私的にはそういう引っ張ってくれる方が嬉しいし。

オサム
嬉しいわ、あなたがそう言ってくれると。強引に入院させちゃって、ちょっと後悔してたのよ、やりすぎたかなって。でも、今は、病院に入れて良かったって思うわ。落ち着いて考えるには、案外良かったわよね。

はな
良かったぁ、わかってくれて。私ね、そういう頑固そうに見えても柔軟性があるところ、好きよ。え?まぁ、私もお年頃だし、イロイロ考えるわよ。私は1人娘だし、お父さんもお母さんも。

オサム
そうそう、お母さんになったお父さんもイロイロ考えてるのよ。

はな&オサム
え?・・・・ホント?

オサム
・・・ホントに、オカマになってくれるの?

はな
・・・ホントに、オムコになってくれるの?

はな&オサム
そんな、突然、どうしたの?・・・うぅん、もちろん、イイに決まってる。でも、・・・ホントにそれでいいの?何かあったの?

オサム
・・・・え?お願い?

はな
何?

オサム
人探し?

はな
・・・うん。

オサム
そりゃ、高岡組の情報網を使えば、何とでもなるけど。

はな
いいよ。大丈夫。

オサム
で、誰なの?

はな
私もその方がいいと思うし。

オサム
・・・・へぇ。・・・面白そうね。

はな
うぅん、私、意外と平気だから。ユースケの方が心配しすぎなくらい。

オサム
ゴメンゴメン、そういう意味じゃ。じゃあさ、カスミちゃん、もう少しそこにいなさいよ。それで、その人のコト、ちょっと見てて。あそこ、ワリと自由でしょ。

はな
自由よ、全然。縛られなんかない。ユースケが言うほど、私、タケルのコト・・・・過去のことは、過去だもん。いいかげん、そんなに、過去のコトにこだわりすぎないでよ!

オサム
じゃあ、格好のコトも気にしなきゃね。今度カワイイ服もってってあげるわね。あ、とりあえず、学校の制服ちゃんと着てみなさいよ。入学してからずっと学ランなんか着てるじゃない。暑苦しい。

はな
・・・・熱くなっちゃって、ゴメン。あんまり、みんなに言われるから、何だか自分がコレじゃいけないのかと、思っちゃう時があって。ホントに、自分でもあっけないくらい、忘れちゃってて。逆に実感が薄いのかな。とか、悩んじゃって。

オサム
そんなに悩む必要は無いわよ。案外みんな受け入れてくれるもんだから。オカマもキャラクターよ、キャラクター。そういう個性ってもんもアリなのよ。明るく受け入れなさいよ!

はな
うん、受け入れては、いるつもり。・・・・ごめんね、もう、大丈夫だから。

オサム
大丈夫?じゃあ、また詳しい話は聞かせてよ。また行くから。

はな
うん、じゃあ待ってる。

オサム
愛してるわよ。

はな
私も。

オサム&はな
ちゅっ。

と、二人去る。

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