No.005
[ c・lover ]


Scene03
[ 病院の女 ]


舞台奥、ベットに座った遠山せりながぼーっとしながら、右耳にMDをあてている。
左手で、お腹をさする。


せりな
・・・・。

突然、口紅を塗られたカスミが入ってくる。

慌ててテープを隠すせりな。


カスミ
す、すいません!お願いします!隠れさせてください!お願いします!お願いします!!

せりな
あなた、口紅塗ってんの?

カスミ
塗られたんです!オレ、。県立藤井高校の2年の高岡カスミって言います!怪しいモノじゃありません!無理矢理ココに入れられてて・・・、詳しいことは後で話します!兄ちゃん達が来る前に、お願います!

せりな
ベッドの下隠れる?

カスミ
あ、は、はい!ありがとうございます。

ベッドの下に隠れるカスミ。

下手より、オサム&マコト登場。


オサム&マコト
んづれいしまぁーす。

ドアを開ける兄弟。目が合う3人。

せりな
・・・・・ノックぐらいしなさいよ。

マコト
オサム兄ちゃん、・・・・チィ兄ちゃんが、女になってる。

オサム
・・・・・ホントだ。

せりな
・・・え?

オサム
カスミちゃん!やっとお兄ちゃんの言ってきたことがわかってくれたのね!

マコト
チィ兄ちゃん!

せりな
え?えぇ?

兄弟に囲まれるせりな。

舞台奥、暗くなる。

舞台手前、山盛リンダと西川。


西川
山盛先生、宜しくお願いします。今日からお世話になります、西川龍之介と申します。

山盛
-----どうも。(ファイルに何かを記入している)

西川
今日は、先生について回らせて頂きます。宜しくお願いします!

山盛
・・・ねぇ、ぼうや。変な気合いは止めなさい。(振り返る)・・・・はっ!ずっきゅーん、きゅんきゅーん、んきゅ☆

西川
せ、先生?

山盛
い、いやいや、何でもないのよ。気にしないで、私、山盛リンダ28才、花の独身です。

西川
はぁ、宜しくお願いします。

山盛
あのね、・・・・ココの人達は出来ることなら、そっとしておいて欲しいって人が多いのよ。そんな熱い雰囲気で話しかけられちゃ、気が滅入るだけ。優しく穏やかに、でも甘やかさないコト。いい?どうしても熱い視線をおくりたいなら、私だけにしなさい。いいわね。

西川
・・・はい。

山盛
はいコレ。(ファイルを渡す)ぼうやには・・・「遠山せりな」を見てもらおうかしら。

西川
え?見て?

山盛
えぇ。

西川
今日は、先生についてまわるのかと。

山盛
「あんずるよりうむがやすし」よ、人のを見ていろいろ考えるより、まずは自分でやってみてから、人のを見た方が自分の為にもなるのよ。しばらくしてから、ついてもらうわ。いつも私につくコにはそうしてもらってるんだけど、ご不満?

西川
・・・・いえ、そんなことはありません。お願いします。

山盛
まぁ、心配しないで。この人は、比較的フツウの人。つまんないぐらい。まぁちょっと天然かな。

西川
はぁ。

山盛
まぁ、何がフツウで何がフツウでないのか、ココじゃ区別しても意味無いけどね。まぁ、話してみて、ぼうやがフツウだと感じると思うわ。

西川
わかりました、頑張ります。

山盛
なんなら、ちょっとやっかい方がおもしろいかしら。あ、昨日から、オカマの兄弟が来てるんだけど、そっちがいい?

西川
いえ、ちょっとそれは・・・・・。

山盛
ところでそれ、ぼうやのマスコット?

西川
え、いや。

山盛
うふふ、可愛いのね、ぼうや。

西川
・・・・。

山盛
さ、いらっしゃ〜い。

西川
・・・・・・。

2人、出ていく。

マコト
ねぇねぇオサム兄ちゃん、チィ兄ちゃんにおっぱいついてるよ!いいなぁいいなぁ!

せりな
こら!さわろうとするな!

オサム
えぇ?何?何何なぁに?あ、あなた、ままままさか、・・・・体にメスを入れたっていうの!?

マコト
ってコトは、にゅうはぁふなの?

せりな
はぁ?

オサム
カスミちゃん・・・・・
そりゃ、私は、毎日毎日、あなたに女の格好をし続けることを常に言い続けていたわ。でもね、私は、オトコ手一つで、私たちを育ててくれた、立派なオカマのお父さんを見習って欲しかったのよ。
私はお父さんと同じように、オカマであり、あなた達を、由緒正しきオカマの息子として育てて行きたかった。私たちはオカマなのよ!オカマなの!体にメスを入れた、ココロが女のニューハーフとは違うのよ!オトコで有りながら、女のココロも持ちえるオカマなのよ!!
それなのに・・・・あなたは・・・・体にメスを入れたって言うかよぉ!!!(江口風泣き怒り)

せりな
・・・・・ご、ごめんなさい。

マコト
チィ兄ちゃん・・・・。

オサム
カスミちゃん、わかってくれればいいのよ・・・・。

山盛唄「サボテンの花」。

3人、泣く。っていうか大合唱。

部屋に入ってくる西川。


西川
せ、先生!これが、フツウなんでしょうか・・・・。

山盛
え?あ、遠山さん!

せりな
 あ、・・・はい!

山盛
この人達は?お知り合い??

せりな
 いえ・・・・知りません。

山盛
失礼ですが、・・・・あんた達誰?っていうか何?

オサム&マコト
あらあらー、おやおやー、部屋間違えちゃった〜♪(昔なつかし「にこにこぷん」ヨリ)

オサム
もーホント、ドジなんだからぁ。(ぺしっ)

マコト
え?ボク?

オサム
カスミちゃんと顔から声から大きさから、何から何まで違うじゃない。何で間違えるのよぉ。

マコト
え?え?え?

オサム
ほらほら、まー君、行くわよ。

マコトの手を引くオサム。

オサム
それじゃ、しんづれいしましたぁ。

マコト
しんづれいしましたぁ。

オサム
ほんと、ドコ行っちゃったのかしら・・・・。

出ていく2人。

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