No.004
[e☆f]


Scene10

コンビニ強盗(序章)


うすら明かりの中の福沢。
マスクをかぶる福沢。
狂気の目がマスクから覗く。
ファイティングポーズを決める。

暗転

トコロ変わって、コンビニ「e☆fマート」
エリが退屈そうにしている。
そこへフジコが帰ってくる。


エリ
お疲れー。遅かったわねぇ。

フジコ
こういうときに限ってなかなか無いんですよねぇ。かなり歩きましたよぉ。

エリ
そっかぁ。ホントお疲れー。そうそう、フジコちゃんいない間に大変なことあったんだから。

フジコ
何ですか?

エリ
万引き。

フジコ
えぇ?まさか遠藤君ですか?

エリ
違うの。やったのは小学生。あれ、中学生だったかな?男の子でさ。

フジコ
何取ったんですか?

エリ
いや、それがね、それも変わってンだけど、それより、遠藤君がね、

フジコ
共犯だったんですか?

エリ
うぅん、その逆!あ、客来たらやっかいだから先着替えといで。

フジコ
え?また?

エリ
もちろん。この店の制服なんだから。早く早く!

フジコ
はぁーい。

着替えに行くフジコ。

と、そこへ、マスクをかぶった福沢が現れる。


エリ
いらっしゃいませー・・・・・・!

どう見ても怪しいのだが、ふつうに買い物をしにきたように振る舞う覆面福沢。
エリ、こっそり、通報しようとする。
と、そこにフジコが戻ってくる。


フジコ
エリさん、お待たせー。

エリ
あ。

振り返る覆面福沢。

フジコ
エリさん、あれ。

エリ
だから、あんたは指ささないの。はは、ごゆっくりぃ。

福沢
・・・・・。

笑顔の店員2人。
覆面福沢、カバンに手を入れる。


店員達


カバンからクシをだし、ヘアーをセットする。(と言っても、マスク被ってるけど)

店員達
・・・・・。

覆面福沢、またカバンに手を入れる。

店員達


今度は電気シェーバーを出し、ヒゲを剃る。

エリ
鏡なら、あちらにございます。

覆面福沢、断る。

エリ
あの、何かお探しですか?

福沢
・・・・・・。(無視をする)

フジコ
あの、何かお探しですか?

福沢
あ、さっきはどうも。

フジコ
はぁ?

福沢
あ、いや。何でも、ない。

覆面福沢、うっかり話してしまったことを一人で後悔する。

エリ
なにー、あれもフジコちゃんファン?やるわねー、変なのばっかりだけど。初日からこれなら将来楽しみだわー。

フジコ
ははは・・・・。(ちょっと怖い)

覆面福沢、店員達を襲う事を決意。
カバンの中に手を入れる。
もう驚かない店員達。

しかし、その手には、包丁。


フジコ
こ、今度は包丁ですけど。

エリ
もう驚かないわよ。え!?

福沢
フッフッフッ、今から、ここをハイジャックする。

2人
ハイジャック!?

エリ
やっぱりバカだ。

フジコ
バカですね。

福沢
へ?

エリ
勘弁してほしいわ。

フジコ
まったく、迷惑ですよね。バカの勘違いって。

福沢
おい、コラ。ハイジャックだって言ってんだろ!

フジコ
あの、飛行機じゃないと、ハイジャックできないんですけど。このコンビニ飛びませんよ。

福沢
あ、そうか。よし、じゃあコンビニジャックスペシャルだ!

2人
きゃー。

エリ
って言うと思ってんのかしら。

福沢
は?

フジコ
何?スペシャルって。

福沢
え?いや、かっこいいかと思って。

エリ
それが勘違いなのよ。

福沢
マジ?

フジコ
ねぇ、さっきの人でしょ。

福沢
え?

フジコ
この人遠藤さんとケンカしてた人ですよ。

エリ
え?あ、ホントだ。

福沢
ちょっと、ばらさないでしょ。

フジコ
誰でもわかると思うんですけど。

福沢
・・・・何だよ、ちきしょう・・・。オレ、また、ダメなのか?ダメダメくんなのか?

フジコ
あのぉ、何がしたかったんですか?

エリ
お金なんてないわよ。それとも、私たちがほしいの?

福沢
オレは、金も女もいらねぇ!オレは、愛がほしいんだ!

2人
愛がほしいんだー。

福沢
あ、今オレをバカにしたな!

フジコ
した。

エリ
うん、した。っていうか哀れに思った。だってねぇ。

フジコ
あのぉ、まだストーカー続けてるんですか?

エリ
いい加減、あきらめも肝心よ。しつこいだけのオトコなんて何の魅力もないわよ。

福沢
じゃあ、オレはどうすればいいんだよ!

エリ
まぁ、一人で少しぐらいがんばったら?

フジコ
その通りです。さすがエリさん。

エリ
頼ってばかりじゃ、なかなかその人は振り向いてくれないわよ。

福沢
頼って?

エリ
えぇ。お互い対等でなきゃ。あなたばっかり頼ってちゃ、重いったらありゃしないわよ。だれだってイヤになるわ。

福沢
どうすりゃいいんだよ。

エリ
一回自立したら?それからじゃないと、誰だってあなたのこと、ちゃんと見てくれないわよ。

福沢
でもよぉ、オレ、ふわりがいないと、やる気も出ないし、何もかもうまくいかねぇんだよね。

エリ
あまったれんじゃないわよ!そんな軟弱なオトコのせいで、この世のどれだけの女性が不幸になっていることか!それ以上ウダウダ言ってると、体ガタガタにしてやるわよ!

福沢
・・・・・・・(泣き出す)。

フジコ
あぁあ・・・。エリさん泣かしたぁ。

エリ
ちょ、ちょっと、あんた、情けないことしないでよ。

福沢
あぁ・・・オレ、もうどうしようもなく自分がイヤになってきた・・・・。ふわりの事も考えないで、オレ自身の事ばっかり考えてて・・・・うわぁーん・・・・。

フジコ
また泣いた・・・・。

エリ
どうしよう。

フジコ
ちょっと甘いことでも言ったらどうですか?

エリ
そういうのすごくイヤだけど仕方ないか。

フジコ
はい。どうにかしてください。

福沢
・・・・・。(泣きじゃくっている)

エリ
どうしたらいいのかしら?・・・・何か私たちにできることある?

福沢
できること?

フジコ
あ、ちょっとありがちですけど、こんなのはどうですか?

2人
何々?

フジコ
あのですねぇ・・・・

フジコ、2人に耳打ち。

エリ
それいこう。おもしろいかも。

福沢
そんなのうまくいくか?

エリ
大丈夫大丈夫。絶対振り向くって。

フジコ
ようは想いが伝わるかってコトでしょ。

福沢
そうだけど・・・。

エリ
はい、んじゃ準備準備。フジコちゃん、準備中って札出しといて。

フジコ
はぁーい。

福沢
え?いいの?

エリ
いいのいいの。

福沢、2人に手を引っ張られ奥へ。

------暗転。


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