No.004
[e☆f]


Scene02

イヴのひとりごと






【 Eve's Story 】




【 午後8時半 】





イヴにライト。

イヴ
私が悪い訳じゃない。
私は、何もしていない。何をする間もなく、あの子は来なくなってしまっていた。
来なく、どころか、私は1回も来ていない。入学式すら。「担任」だからって言われたって、そんなのは、私の責任じゃない。・・・・小学校が悪かったんじゃないの?
そう、思っても、私は何も言えない。ただ、学年主任やら、教頭先生やらに、ぶちぶちと文句を言われるだけ。どうなってるんだ。もっとちゃんとした教師はいないのか。
私は自分自身、未熟だってわかってる。まだ2年しかやってないんだから。でも、助けて欲しいとか、助言が欲しいとか、そんな甘えた事を言ってるんじゃない。ただ、まだ経験のない私を、いきなり責められても困る。はぁ・・・・。
とりあえず、私は、私なりの努力をしてみる。努力もしない教師はキライだし。 私は今日も、あてもなく、見たこともない教え子(?)をさがす。

---暗転。

所変わってe☆fマート
出ていくフリスク。


エリ
あれ、フジコちゃんが目当てよ。

フジコ
え?うそ。

エリ
絶対そう。なかなかやるじゃない。

フジコ
どうしてわかるんですか?

エリ
あぁやって、時間かけて変なことするのは、私たちに印象付けるためなのよ。

フジコ
はぁ。

エリ
大体ココに来る寂しい男の人はそう言うことするの。

イヴが入って来る。辺りを見渡している。

イヴ
・・・・・あの。

エリ
トイレはあちらにございます♪ご自由にどうぞご使用くださいませ。

イヴ
あ、・・・・はい。

腑に落ちない様子でトイレに行くイヴ。

フジコ
さっすがぁー。

エリ
まぁね、お客の顔見りゃ大体わかるわよ。

フジコ
すごーい!私も、がんばります♪

エリ
若いっていいわねぇ。お姉さん、いじめたくなっちゃう♪

フジコ
え?

エリ
さ、これからが忙しくなる時間よ。夜のお店に行くお姉さんとか、酔っぱらいとか、暇人とか、いっぱい来るからね。

フジコ
はーい☆

と、そこへ、酔った雰囲気の男(福沢)が現れる。

二人
いらっしゃいませー♪

福沢
・・・・・。(キョロキョロと辺りを見回してる)

フジコ
あ、トイレなら・・・(と言いかける)

福沢
・・・・トイレじゃねぇよ。・・・けっ。

フジコ
はぁ、すいません。・・・・ちっ。

エリ
ま、そう言うこともあるわよ。

やたらとそこら辺のものを手に取り、それを戻す、と言った行為を繰り返す。

エリ
最悪。あのオトコ見たことあるわ。

フジコ
常連さんですか?

エリ
待ち伏せしてんのよ。

フジコ
エリさんを?

エリ
目の前にいちゃ待ち伏せになんないでしょ。

フジコ
あ、そうか。

エリ
近くのバーではたらいてるコ。

フジコ
えー、それじゃストーカーじゃないですか。

エリ
そうなるかなぁ。

続いて、少しオタクっぽい、青年(遠藤くん)が現れる。

二人
いらっしゃいませー♪

遠藤
・・・・・。

エリ
今日はロクな日じゃないわね。

フジコ
え?

エリ
遠藤くんだわ。

フジコ
遠藤っていうんですか?

エリ
そう言われてるのよ。何に見える?

フジコ
浪人生。

エリ
私もそう見える。

フジコ
当たりですか?

エリ
知らない。ただの客だもん。合格まで縁どおそうだから、「縁遠」って呼ばれてるのよ。三浪ぐらいしてそうよね。

フジコ
酷な名前ですね。

福沢が遠藤にぶつかり、絡む。

エリ
うわ、「e☆fマート」最悪の戦い。

フジコ
どうするんですか?

エリ
知らんぷり。せっせと何かしてるフリして。

妙に働き出す二人。
そこへ、イヴが戻ってくる。


イヴ
ありがとうございました。

エリ
どういたしまして。

イヴ
あの、おたずねしたいことがあるんですけど。

エリ
はぁ、何ですか?

イヴ
ここに、中学生ぐらいの子が、来ませんでした?

エリ
・・・・はぁ、オトコの子ですか?オンナの子ですか?

イヴ
あ、オトコの子です。

エリ
どんな子ですか?

イヴ
あ、・・・ちょっと、わからないんですけど。

エリ
はぁ、・・・・見た?

フジコ
見てないですぅ。

エリ
わかんないですね。ごめんなさい。

イヴ
そうですか・・・。ありがとうございました。

とぼとぼとレジを離れるイヴ。何かを決意した様子。

フジコ
何ですかね?

エリ
待ち合わせ?しかもメル友?

フジコ
中学生の男の子とですか?大人の人ですよ。あの人。

エリ
イケナイ道へと走ろうとしているわ、あの人。ひょっとして主婦だったりして。

フジコ
いーやー。

エリ
あなたは大丈夫よね、出会い系なんてロクなヤツに出会わないわよ。気をつけなさい。

フジコ
バカじゃありませーん。大丈夫です♪

エリ
そうやって可愛くコビ売るんじゃないの。私のファンが持ってかれちゃうじゃない。

フジコ
すいません。

イヴにライト。(イヴのひとり言)

イヴ
あたりまえだ。いくら不登校で家にいないからって、そこらのコンビニにいるかどうかなんてわからない。でも、彼がコンビニで万引きをしている、というウワサも聞き捨てならない。できるだけのことはやらなきゃ。努力しない教師はキライだし。次は・・・・ドコに行こうか?ここら辺のコンビニは大体まわったし。あーもー8時半過ぎ。何で・・こんなにがんばってんの?がんばりすぎじゃない?いくらなんでも・・・・なんだかものすごくムカツイテきた。と、考えていると、私はふと一つの事を思いついた。万引きなんて私はしたことがない。こんなんで、万引き少年のココロはわかるんだろうか・・・・。よぉーし、いっちょやってみるか!こんな、個人のコンビニなら、簡単にイケルだろ。

周りを見わたし、指先に神経を集中。かなり無理のあるニセ女子高生たちは私の事をみていない。そっと手をのばし、私は無難にパンをつかみ、服の中に入れた! 楽勝!

これなら、入るだけイケそう!私はさっきのパンのとなりにあったハムの入ったパンを手に取り、先ほどのパンに続いて服の中に忍ばせようとした!

エイトに腕を捕まれるイヴ。

イヴ
!(エイトと目が合う)

エイトに引っ張られ、外に出ていくイヴ。
後に残される店員2人。

----暗転


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