No.003
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Scene06

スナック「葵」


下手、スナック「葵」。
さやとミサキが話している。


ミサキ
ねぇー。さやちゃんさ、いつか結婚すんの?

さや
うーん、するよぉ。

ミサキ
今の彼氏と?

さや
うーん・・・多分。

ミサキ
いいよねぇ、さやちゃん、彼氏がいて。

さや
何で?ミサキちゃん、作ればいいのに。カワイイからいっぱい引っかかるでしょ。

ミサキ
うん。今までいっぱい引っかけてきたけどさぁ・・・・。

さや
さすがっ!

ミサキ
でもさぁ、オトコってねぇ・・・・。

さや
何?

ミサキ
結局、幼稚で、バカな気がしてさぁ。

さや
幼稚?そこがカワイイんじゃないの?

ミサキ
私はヤダ。うんざり。

さや
ミサキちゃん、オトコの人嫌いなの?

ミサキ
んー、そだねぇ。ずっと水商売してきてさ、見てるとヤんなっちゃうよ。

さや
ミサキちゃん、この店以外にもやってたの?

ミサキ
いっぱいやったよぉー。初めはキャバから始まって、クラブに移って、転々としてたけど、私ねぇー、全部No.1取ってたんだよ。

さや
すっごーい。どうやって?

ミサキ
どうやって?相手によりけりよ。バカな女の子装ったり、やらせるそぶりしたり。オトコが女に対して魅力を感じるパターンってあると思うんだけど、それほどレパートリーいらないのよ。結構決まってんの。オトコ受けするタイプってさ。

さや
へぇー、何か深ーい!

ミサキ
そんなの知ったところで、何にもいいことないけどね。

さや
そうなの?楽しそうだけど。

ミサキ
まぁ、お金いっぱい使わせて毎日豪遊して、それなりに楽しかったけど、・・・・・・それも飽きちゃうんだよね。

さや
それで、今のちっちゃなスナックでバイトしてんの?

ミサキ
んー、そー。ねぇ、さやちゃんの方はどうなの?最近彼氏はどう?

さや
え?んー、びみょー。

ミサキ
何よー、びみょーって?

さや
んーなんて言うかなぁー。びみょーっていうか、びみょーんって感じかな。

ミサキ
よけいわかんないよぉ。

さや
縦にこう、びみょーんってのびてんのぉ。

ミサキ
はぁ?・・・でさ、バンドの方はどうなの?

さや
ライブ続けてるよ。今度2枚目のアルバム出すよ。まだインディーズだけど。

ミサキ
へぇー。さやちゃんの彼氏ってベースやってんだっけ。カッコいいの?

さや
ベースえんどボーカル♪こないだプリクラ見せたじゃん。

ミサキ
えー?アレ!?だってあれ、さやちゃんの顔と彼のココ(首から下のあたり)までしか写ってなかったじゃん。

さや
そうだっけ?

ミサキ
さやちゃんの彼氏ってでかいよねー。

さや
うーん!イロイロおっきいよー。

ミサキ
ん?さやちゃんがちっちゃいのか。

さや
てい!(みぞおちに一撃)ちっちゃいって言うなー。・・・・ほぉーっ、こほーっ。

ミサキ
くく・・・・、さやちゃんに身長の話は慎重にしなくちゃいけなかった・・・・。

さや
何か言った?

ミサキ
うぅん、何にも。でもさ、バンドマンってカッコいいけど、結局フリーターでしょ。お金ないんじゃなーい?

さや
そだけど、ちゃんとバイトはしてるよ。

ミサキ
そっかーそれでさやちゃん毎日がんばってんだ。

さや
別にそう言う訳じゃないってば。

ミサキ
でもさ、さやちゃんならこんなちっぽけな店じゃなくて、大きいトコ行っても結構稼げると思うよ。

さや
えー、いーよー。

ミサキ
別に変なトコじゃなくてさー。あ、何なら紹介しようか?

さや
いいよ。私この店がいいんだから。

ミサキ
へーそー。さやちゃんてどうやってこの店知ったの?

さや
え?何となく見かけて。

ミサキ
えぇっ!?どうやって?こんなわかりにくいトコ。ちっちゃなビルの3Fだよ。

さや
うーん、一応、目的があるの。

ミサキ
目的?

さや
うん。この店にいれば会える人がいるから。

ミサキ
何?お客さん?あ、それじゃ、浮気かぁ?

さや
そんなんじゃないよぉ。

そこに千恵子ママが現れる。

ママ
ねぇ、音々ちゃんまだかしら。

さや
わかんなーい。

ママ
ミサキちゃんは?

ミサキ
彼氏ンところでも行ってるんじゃないですか?

ママ
彼氏ー?いつの間に作っちゃったのかしら。

さや
そうなの?

ミサキ
知らない。多分ね。

ママ
今日ね、お得意様が来るのよぉ。

ミサキ
誰?

ママ

ほら、殿山ローンって金融会社の社長さん!

ミサキ
あー、殿さん!

さや
誰それ?

ミサキ
さやちゃん、まだ知らないかぁ。結構お金持っててちょっと変な人。

さや
ふーん。

ママ
そうそう、今日は女の子みんなそろえといてって言われたのに困っちゃうわぁ。

ママ奥に消える。
------下手暗くなる。
上手にバベルと助六。


バベル
なんだ、お前、まだウジウジしてんの?

助六
だって、体に入れないんだぜ。そこにあるのに。

バベル
お前はよぉ。現実がよくわかってねぇんじゃねぇの?

助六
そりゃそうだ・・・・・訳のわからない事だらけだってばよ。

バベル
それだそれ!

助六
は?

バベル
今の自分の状態とかよぉ、周りのこととのギャップとかよぉ、そういうのが精神に動揺を与えてんじゃねぇの?

助六
はぁ?何か時々難しいこと言うな。中卒のオレにもわかりやすく説明してくれよ。

バベル
要するに、今のコトがよーっくわかれば、お前はすんなり体に入れるんじゃねぇの?

助六
そう言うこと?

バベル
おう。

助六
どうすりゃ、今のコトがわかるんだよ。

バベル
まずは、一番不安に思っているコトだな。

助六
・・・・音々さん。

バベル
OK。じゃあ、彼女の現実を見てきな。

助六
え?見てくるって??

バベル
お前、生き霊なんだから、結構自由に動き回れるんじゃねぇの?

助六
そうなの?

バベル
たぶんな。

助六
バベル、一緒に来てくれよ。

バベル
何でお前にくっついて行かなきゃならんのだ。

助六
えー、だってぇー。彼女をつけるなんて、オトコとして最低の事っぽいし・・・。

バベル
いいから行けっつってんだろ。

助六
だから一緒に来てくれよぉ。

バベル
俺はこの病院から出られねぇの!

助六
何で?

バベル
俺、地縛霊みたいなんだよね。

助六
え!?やっぱり幽霊なの??

バベル
だって、俺の体ねぇんだもん・・・・。

助六
何でお前は成仏しねぇの?

バベル
わかんねぇよ。何か、未練でも残しちゃったんじゃねぇの?

助六
メジャーになる夢か?

バベル
そんなんじゃなくて、もっと大事なことがなぁ・・・・。ちょっと思い出せねぇんだけどよぉ。

助六
そうか。

バベル
だからよぉ、お前には早く目覚めてもらってよぉ、お前の夢、追っかけて欲しいのよ。

助六
バベル・・・・。

バベル
な、早く行けって。

助六
お前、結構イイヤツだな。

バベル
おう、頭は悪いんだけどな。

助六
じゃ、オレ行って来るわ。

バベル
おう、早く、今を受け入れろ!

助六
・・・・わかった。

部屋を出る助六とバベル。

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