No.003
[ Time passed Me by ]


Scene05

再会


看護婦、いろいろチェック。
不安そうな音々。


看護婦
先生、変化ありません。

医師
そうか、・・・やっぱりダメか。

助六
何だよやっぱりって!

音々
あの、私やります。

看護婦
おっ、本命登場ね。

助六
音々さん!?

医師
ダメだ。

助六
え?

医師
君は医師の資格が無いではないか。君にはこの患者を治療するコトはできん。

音々
ドコが治療なんですか!?

助六
そうだそうだ!

看護婦
先生を責めるのは止めて!

医師
カルメンちゃん・・・・。

看護婦
先生や私はねぇ、極力お金がかからない治療法を考えて行っているの。

音々
お金がかからない?

看護婦
考えてもみなさい。3ヶ月も植物状態を続けているのよ。身よりのないこの患者のドコにその入院費用や診療費があるというの?

音々
それは、屋台を売ったお金で、

助六
え!?

看護婦
そっ、そんなお金、とっくに消えて無くなっちまったわよ!

医師
よしなさい。善意の押し売りなんてみっともない。

看護婦
だって、このコ、彼氏をほっぽってしばらく顔出さなかったくせに、えっらそうに。

医師
庶民なんてみんなそうだよ。まぁ、そういうことだが、お金のコトなんて気にしないでいい。何より彼は回復に向かっているんだ。退院してから、いくらかもらえば十分だ。

看護婦
先生、・・・・ステキ・・・。

医師
さて、彼の状態だが、いつ目を覚ませてもおかしくない状態なんだ。こうやって、周りで騒いでれば目を覚ますと思ったんだがなぁ。

音々
はぁ。

助六
そうなの?

医師
ちょっと私たちは席を外すから、いろいろ話しかけてやってくれないか?

音々
はい、わかりました。

医師
じゃあ。後でまた看護婦がみに来ますので。

看護婦
ちょっとぐらいイケナイことしてもいいわよ。

音々
え?

看護婦
ごゆっくり。

部屋を出ていく二人。

音々
・・・・・ヘンな病院。

助六
まったく。

音々
スケ、いつになったら起きるの?

助六
ゴメンね、音々さん。オレもどうやって起きたらいいかわかんないんだよ。

音々
本当に起きるの?結局このままってことは、・・・・ないよね。

助六
ないない。ココに魂はあるんだから。

音々
はぁ・・・あ、もうこんな時間。ゴメンネ、スケ。また来るね。

助六
え?

部屋を出ていく音々。

助六
そんなぁ・・・・。何で、行っちゃうんだよ。もう夕方なのに・・・・。今日、音々さん遅番なのかなぁ。

バベルが後ろに立つ。

バベル
いい加減さぁ、目ぇ覚ましたら?

助六
うわっぷ。なんだよ、驚かすなよ。

バベル
お前よぉ、結構くれーよなー。

助六
そう言われてもさぁ、どうやって戻ったらいいかわかんないんだよね。あのさ、なんか、オレのよくわからないコトがいっぱいあるんだけど。

バベル
何だよ。

助六
え、だって、その、3ヵ月間寝てた原因とか、オレの屋台が売られてるとか・・・・。

バベル
なんだよ、たった2つじゃん。いっぱいじゃねーじゃん。

助六
そっか、少ねぇな。

バベル
大したことねぇじゃん。

助六
だな。・・・って大したことあるよ!オレの屋台って言ったら8年間修行して貯めた金はたいて準備したんだぞ。コンロから鍋から、設備投資に結構かかってんだからな!

バベル
んじゃ、売ったらそこそこ金になったろうなー。

助六
そうだな。それでオレも何とかこの病院に居られたのか・・・・・。(落ち込む)

バベル
何だよ、くれぇヤツだなぁ。

助六
オレの夢への第一歩が・・・・。

バベル
そんなのいいじゃねぇか。まだまだ若いんだから、早く復帰して稼げばよ。8年も修行してりゃ、腕は確かなんだろ。

助六
もちろん!

バベル
俺もよぉ、腕は結構いいんだよねぇー。へへっ、お前と一緒でよぉ。

助六
コラ、売れないバンドマンと一緒にするな。オレはでっかい店かまえんだ。

バベル
おい、オレだって、ドームツアーやってやるよォ!

助六
ほぉー。オレは二軒目を音々さんに店長やってもらって・・・・・。

バベル
俺はよぉ、絶対ビッグになってやるよ!

助六
お前、それ以上ビッグになってどうすんだよ。オレに少し分けろって。

バベル
あー、コレ?だったらよぉ、毎日牛乳飲みながら逆立ちしてみな。

助六
牛乳飲みながら逆立ち・・・・・って出来るか!

バベル
それをガマンするんだよぉ。

助六
はぁ?

バベル
ストローで思い切り吸い込んでよぉ、それでも思わず鼻から出そうになってもそれを堪えんだよ。それぐらいの気合いがねぇと背は伸びねぇんだよ。出来るか、お前に!

助六
そっか・・・・、そんなに大変なんだ・・・・。オレは努力が足りなかったんだな・・・・。

バベル
何でもよぉ、努力があればできねぇ事はよぉ、ねぇと思うんだよなぁ。

助六
そういうもんかなぁ・・・。

バベル
あ、他にも方法あるぞ。

助六
え?それ教えて♪

バベル
あのな、縄跳びだよ。

助六
何だよ、フツーじゃん。

バベル
フツーじゃねぇよ。まずな、やる前に思いっきりキャベツ食うんだよ。

助六
キャベツ?

バベル
おう、千切りかミジンコ切りにしてさ。キャベツの栄養が身長のばすのにいいんだな、コレが。

助六
ほぉー。何かもっともらしいな。それで?

バベル
縄跳びする。

助六
それだけ?

バベル
あぁ、牛乳飲みながらな。

助六
出来るかぁ!

-----暗転

Scene06-1へ


※無断転載、無断複写を固く禁じます。上演許可申請の際はお問い合せよりメールを下さい。

上へ戻る
目次へ戻る
台本一覧へ戻る
TOPへ戻る

fuzzy m. Arts