No.003
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Scene05

再会


助六、ひとりでうろうろ歩き、考え事。

助六
・・・・・・・オレ、死にかけてんだよな。屋台始めて、一週間ぐらいのはずなのに。8年も修行して、やっとの思いで自分の店手に入れて、それなのに・・・・・。オレ、夢実現したばっかりだったのに、何で・・・・。ちっくしょう!何より、何でこうなってんのか全然わかんねぇ!!

部屋に入ってくる音々。
ベッドの前に立つ。


助六
音々さん!音々さん来てくれたんだ!! オ、オレ、ど、どうすりゃいいんだ、えーと・・・・

音々
・・・・久しぶり。スケ、だんだん、ホントに回復してるの?ずっと、そうは見えなかったのに。私、死ぬんだとずっと思ってた。

助六
音々さん・・・・。何だか、小さく見える・・・・。

音々
本当に、生きてるの?

助六
ゴメンね、音々さん。オレ、ちゃんと復活してみせる!また1から出直してやるよ!

音々
・・・・いつまで、待てばいいの?

助六
もう少し。もう少しだから待ってて。どうやって戻ればいいかわからないんだ。

音々
私ね、医師がダメだって言うから・・・・もうあきらめちゃってた。

助六
え?

音々
辛くて、辛くて、どうなるのか、わかんないのに待ってるのが、とっても、辛くて・・・・。

助六
音々さん、大丈夫。脳も目覚めたし、何とかなるから。

音々
何で、・・・今頃、戻ってくるの?

助六
え・・・・オレ、もう大丈夫だから。音々さん、もう少し、もう少し待っててよ!そこへ、入ってくる看護婦。

看護婦
あら、こんにちわー。

音々
・・・こんにちは。

看護婦
久しぶりねぇ。元気にしてた?

音々
はい。

看護婦
どう?奇跡の復活よ!びっくりしたでしょ。

音々
・・・・はい。

看護婦
何よ、もう少し感謝してちょうだいよ。

音々
・・・・・ありがとうございます。

看護婦
でも、こっからがねぇー。

音&助
ここから?

看護婦
えぇ。早いトコ目覚めてもらって、どんどんリハビリしなきゃ、まともな生活送れないからね。

音々
そうですか。

助六
そうか・・・・。大変だなぁ。

看護婦
3ヶ月も寝たきりじゃ、どうしても体どんどんなまってくでしょ。しっかりつきあってあげてね。

助六
よろしくお願いします。

音々
・・・・はい。

助六
よーし、オレ頑張るよぉー。

医師が入ってくる。

医師
おっ、こんにちは。どうだい、カルメンちゃん。

看護婦
えっ、あ、すいません。今きたとこですんで。

医師
んじゃ、見て。私も見るから。失礼(音々に)。

二人して色々チェック中。

助六
なァ、ちゃんと見てんのか?早く目覚めさせてくれよォ!

医師
右よーし、左よーし。

看護婦
前方確認オッケー。

医師
まもなく目覚めマース。

助六
は?

二人
・・・おはよー、・・・おきてぇー、・・・おきなさぁーい、・・・・・おきんかーい!

----沈黙。

看護婦
どうやら、今日もダメみたいですね。

助六
そんなんで起きるわけねぇだろ!

医師
なんて強情っぱりなんだ。

音々
え?今の・・・・。

医師
あ、驚かれましたか?最新鋭の医療方法です。

看護婦
名付けてカルメン流モーニングコール。

助六
んなアホな!

音々
はぁ。

看護婦
コレでダメなら、カルメン式ショック療法Uしかないわね。

医師
何?カルメンちゃん、いつの間に新療法を考えたの?

助六
もうやめてくれ・・・・。

看護婦
えぇ。「暴力」には限界があるもの。最後は「愛」よ。

医師
愛?どうするんだい?

看護婦
白雪姫と同じです。

医師
もしや、接吻?

看護婦
えぇ。

助六
えぇ!?

二人、音々を見る。

助六
そんな・・・・いくら音々さんでも、人前で。(もじもじ)

音々
え?何ですか。

看護婦
コレにはご家族の同意が必要です。

音々
はぁ。

看護婦
OKですか?

音々
えっ、何がですか?

看護婦
もちろんカルメン式ショック療法Uの同意です。よろしければコレにサインを。

助六
音々さん、愛の力で、オレの目を・・・・。

ポケットからくしゃくしゃになった同意書を微妙に広げて渡す。

音々
・・・・よく、読めないんですけど。

看護婦
ねらい通りです。

助六
何だ?

医師
さぁ、どうですか?

音々
あ、はい。大丈夫だと思います。

看護婦
んじゃサインを。(ペンを渡す)

音々
・・・・・・・。(書く)

助六
音々さん、ありがとう!

看護婦
(ニヤリと笑い)んじゃ、そういうことで。どうぞ。

医師
え?私?

助六
え?

看護婦
えぇ、白雪姫は王子様のキスで目覚めたんですから。

医師
王子様?

看護婦
えぇ。私の♪

助六
そんな、まさか・・・!

医師
それならしかたがあるまい。

助六
おい!

音々
ちょ、ちょっと、何するんですか?

看護婦
白雪姫を知らないの?キスをすれば目覚めるのよ!

音々
そんコト、ある訳無いじゃないですか。

医師
何を言っているんですか。何も行動を起こさず、出来ないとハナからあきらめてしまうのが現代人のいけないところです。もしも、奇跡が起こったらどうするんですか?

音々
でも・・・・・。

助六
いやおかしい、あんた言ってることがマトモに見えてるけど、おかしいよ!

看護婦
はっはーん、あなた、ジェラシーを感じてるのね。

音々
え?

看護婦
愛を忘れかけた今でも、こうして恋人の唇を他人に奪われることに対してジェラシーを抱いているのね。

音々
そんなんじゃありません。

助六
音々さん止めて!

医師
じゃ、いいじゃないか。コレも治療だ。それに君はすでにその同意書にサインもしている!

ベッドの助六にキスをする医師。

助六
うわ、か、感触が伝わってくる・・・。

音々
・・・・・。(顔を伏せる)

看護婦
きゃっ、先生情熱的!

助六
ベ、ベロを入れるなぁー。

医師
・・・・ぷふーっ。これでどうだ!?

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