No.003
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Scene01

屋台襲撃


上手より、マスクをかぶったバベルとさやが現れる。

バベル
もうすぐー、バンドも調子に乗ってくるー。だからぁ、とりあえずなんだ、よろしくぅ!!

さや
うん!

バベル
明日のォ、支払いさえ済んじまえば、ちゃんと堂々とライブも出来る。もうすぐメジャーになる。そしたら、借金なんか全部返して、さやにも楽させるー!!

さや
うん!

バベル
だからァ、今日だけなんだー。こんなのはよぉ、だからよろしくぅぅぅぅう!!

さや
うん!

バベル
イヤァ!

さや
いやぁ!

バベル
イエェイ!!

さや
いえぇい!

バベル
ウラァァァア!

さや
うらぁぁぁあ!

バベル
よーし、手順はわかってるな。

さや
うん。

バベル
繰り返してみな。

さや
え、ヤダ。

バベル
リピィート、あふたみー!

さや
・・・・えっ?バベルが言うんでしょ。

バベル
え?リピートっつったんだぞ。俺は。

さや
あふたみーって言ったじゃん。それ、「私の後に繰り返して」って意味でしょ。

バベル
知ってたっつーの。

さや
んじゃ、手順は?

バベル
・・・・よーし。テープは?

さや
えへ。コレ。お兄に入れてもらった。

バベル
そか、ちゃんと聞いてみたかベイベ?

さや
・・・・え?うん聞いた。

バベル
ホントかーい?

さや
うーん。

バベル
ホントかーい!

さや
うーん!

バベル
りありー?

さや
いえぇぇい!

バベル
OKベイベ。ちゃんと兄ィは凄んでくれてんだよなぁ。

さや
大丈夫、ちゃんとコンビニ強盗らしくってお願いしたから。

バベル
それ録るの、何て言って頼んだの?

さや
え?俳優のオーディションに出すって言ったら喜んでた。お兄、昔時代劇の役者やりたかったみたいだから。

バベル
ほぉー。あ、でもよぉ、まさかそれ、時代劇調じゃないよな?

さや
え?も、もちろん。「強盗」って言ったら現代でしょ。「追いはぎ」とは言わなかったから。

バベル
OKベイベ。よーし、んじゃいつもの行くぜ!

さや
いぇー!

二人
オレの、ハートは、ホットだぜ!!

くるっと一周。そこは小さなコンビニの前。
立ち止まる二人。


さや
うそ。

バベル
ナゼにぃ?ナゼにコンビニが休みなんだベイベ?

さや
見てよバベル。閉店しちゃったんだよ。ほら、ここに「店主が入院につき閉店します」って書いてあるもん。

バベル
え?マジで?あのくそじじい不景気で倒れちゃったの?

さや
世の中せちがれー。

バベル
どうするよ?

さや
・・・・もうドコでもいいじゃん。

バベル
そんなことねーよ。こういう未だに個人でやってるコンビニだから安心だっていってたじゃん。こんな防犯カメラ付いてないのココぐらいだったんだぜ。

さや
えへ。

バベル
参ったなー。コレじゃ明日の支払いに間にあわねーや。

さや
ねぇ、バベル見て、あそこに屋台でてる。

バベル
さやちゃん、もう腹ペコリン?そう言われてもイマんトコ、No money だよぉ。

さや
そうじゃなくて、屋台ならさー、防犯カメラないよね。

バベル
そりゃ、あるわけないだろ。

さや
んじゃさ、あそこダメかな。

バベル
え?・・・・でも、あんな客が一人しかいないようなところじゃ、金も無いんじゃねぇの?

さや
そうかもしれないけど、せっかくこのマスク作ったんだし。支払いは明日までなんだよ、明日の分だけでも無いと困るよ。

バベル
そうだな、あそこやってみるか。

-----暗転

下手、ラーメン屋の屋台で退屈そうに占い等をしている音々。
そこへ、仕込みを終えた助六が楽しそうに鼻歌を歌いながら現れる。


助六
ドナドナドーナー、ドーナー、子牛がにげーるー、あっ行かないでっ。(切ない独り言)

音々
・・・・お疲れぇ。

助六
!あれ、音々さん、仕事は?

音々
もうバイトにまかせてきた。来るの遅いからしこたま閉店したかと思ったよ。

助六
まだ1週間じゃん。これからこれから。今日、仕込みに手間取っちゃってさ。

音々
そう。安く調達できてる?

助六
なかなか厳しいよ。ナルト一本で喧嘩腰になっちゃってさ。

音々
ナルト?

助六
バカにしてんのか知らないけど、一本だけいつもの逆回りなんだよ。

音々
逆回り?

助六
そう!渦がさァ!!いつものは、こっちまわりなのに、今日見たら一本だけこっちまわりなんだよ!店主1年生だと思ってバカにしてるよねぇ。何度文句言ってもいつもとかわんねぇ!ってゆずらねんだよ。

音々
ねぇ、スケ。ちょっと思ったんだけどそれさぁ、ナルト自体をこうひっくり返して見たんじゃねぇの?

助六
・・・・・あぁ!そう言うコトね。へぇー。ほほーっ、ほっほっほーっ。

音々
スケってバカ?

助六
バカ・・・!?

音々
うんバカ。

助六
ベキ!ベキベキベキ・・・・・。(全身を骨折して落ち込む)

音々
あ、冗談冗談。まだまだ慣れてないんだから失敗なんて当たり前!それを繰り返さなきゃいいの。ね!

助六
だよね♪

音々
うん。

助六
ねぇ音々さん、やっぱ店持つのって大変だねぇ。音々さん、ピザ屋の店長って大変?

音々
んー、そう大変って言うほどじゃないよ。バイト数少ないし。こうやってたまに早退しても平気でしょチェーン店の店長なんて大したことないのよぉ。それにひきかえスケは社長でしょ。ある意味青年実業家よね♪

助六
ホントに?んじゃオレ今、肩書き青年実業家?

音々
かっこ「寿ラーメン」って付くけどね。

助六
そっかー、なんかやり甲斐あるなぁ、独立するって。

音々
がんばって店もって、2店舗目の店長にしてね。

助六
オレ、出来るかな?

音々
出来るよ!スケ頑張ってきたじゃん。親も家族もなくても、中卒でがんばって8年も修行してきたんだよ。イイ腕してるし絶対出来る!

助六
・・・そだよね。

音々
うん。私、スケについていくから。

助六
音々さん、ありがと。

音々
でさー、開店1週間、お客さん入ってんの?

助六
ん?ぼちぼちね♪

音々
昨日はどう?

助六
あ、それが運悪くたまたま0人。

音々
あ、そう。おとといは?

助六
あー、風が強かったからなぁー。なぜかたまたま0人。

音々
あ、そう。その前は?

助六
え?あ、その日はね、うんと、たまたま0人、と1匹。

音々
なによ、その1匹って。

助六
腹減ってそうな、犬がいたから食わせてやってさ。あ、でも吐いてたな、ゲツゲツいってて、ありゃかわいそうだったなぁ。

音々
ちゃんと味見してるの?

助六
え?いや、だって犬にやるのに、味見する?

音々
吐いてたんでしょ。まずかったんじゃないの?

助六
え?そんなこと言わないでよ。・・・・ちょっとスープの味見てくる。

音々
初心わするべからず!毎日味みるのさぼっちゃダメだよ。

助六
はーい。気をつけマース。あ、そうだ、今度ピザの材料の余り持ってきてよ。

音々
何で?

助六
やっぱさー、単にフツーのトンコツラーメンだけじゃ、やっぱウリにならないかなぁって思ってさ。だから、

音々
ピザらーめん?

助六
そう!

音々
おいしいかな・・・・。

助六
ピザ味のパンとかお菓子とかいろいろあるじゃん。だからイケるかな、と思って。

音々
・・・・・覚えとく。

助六
よろしくね〜。

裏に行く助六。
テーブルの用意をする音々。


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