No.001
[ m.]


Episode02

money(ユナ&マチコ)


カバンをあさる2人。

フィルムを見つけるユナ。


ユナ
何コレ。Hな写真とかかな。

マチコ
なわけないでしょ。

ユナ
手紙も付いてる。ね、これラブレターじゃない。サヤカへ。だってさ。

マチコ
開けちゃダメよ。

ユナ
あぁー、そう言われると見たいー。

マチコ
やめときなさいよ。他には何にもないね。

ユナ
ないねー。つまんない。かえそっか。

マチコ
どうやって?警察届ける?

ユナ
本人に渡す。

マチコ
捕まっちゃうよ。

ユナ
拾ったことにすればいいじゃん。

マチコ
あんた見られてんでしょ。

ユナ
じゃあマチコにまかせた。ココ連絡して。ケータイも書いてあるから。

マチコ
連絡先刺繍してあるんだ。だっさー。

ユナ
はいこれ、非通知にしてあるから。

マチコ
んー。

ケータイにかけるマチコ。

マチコ
もしもし?あ、あの、私、えと、・・・・・・は、はぁ。え、私、マチコ、長谷川マチコって言います。・・・・・私もあなたと話すの初めてです。はじめまして。

ユナ
何でアイサツしてんの?

マチコ
あなたのカバンを見つけまして。・・・・それで、その、カバンを返したいんですが。

ユナ
ねぇ、どうやって返すの?

マチコ
あ、どうやって、返しましょう?・・・・・なんか、女のヒトがそばにいてケンカしてるみたい。

ユナ
彼女いるヒトなんだ。残念だったねぇ。

マチコ
何いってんのよ。・・・・あ、はい。私ですか?南区です。え?緑区ですか。近いですね。取りに来ていただけます?

ユナ
おっ、お姉ちゃん積極的!

マチコ
変なこと言わないでよ。え?そうなんですか。私も車ないんですよね。

ユナ
なに?車ないの?使えないヒトだねぇ。

マチコ
はい。そうですか。えーっと、じゃあ、・・・・え?

ユナ
その人お礼ぐらいくれるかな。

マチコ
バカなこと言わないの。

ユナ
モノより現金よね。

マチコ
はい?いえ、何でもないです。じゃあ、これから、会えますか?

ユナ
おっデートだ!マチコ何年ぶり?

マチコ
!(ユナを殴る)じゃあ、どっか、喫茶店かドコかで。

ユナ
なんか取り引きみたいだね。ワクワクしてきた。

マチコ
えーっと、格好はですね、

ユナ
目立つように全身黒タイツでどお?

マチコ
バカいってんじゃないの。え?あ、こっちの話です。すいません。・・・・私、じゃあ、小見田さんのカバン持ってるんで見つけて下さいね。はい。わかりました。そこで。1時間後ぐらいでいいですか?・・・・はい。

と、ケータイを切るマチコ。

マチコ
あのねー、となりでうるさいのよ。大体あんたがこんなモノ拾ってくるからこんなコトになるのよ。人のメイワクも考えてよ。

ユナ
ゴメンなさーい。

マチコ
あんたどうするの?

ユナ
え?じゃあ、帰ろっかな。

マチコ
借金取りはいいの?

ユナ
あ、そうだった。ミッツィー連れられちゃったかな?

マチコ
大丈夫でしょ。あ、でも小指ぐらいないかも。

ユナ
えぇっ!?

マチコ
冗談だって。でも、裸で部屋にいたりして。

ユナ
家のモノ全部とられて?

マチコ
ま、それでも生きてりゃなんとかなるでしょ。

ユナ
よね。

マチコ
・・・・・私、思うのよね。

ユナ
何?

マチコ
私たちみたいな無気力なプチ貧乏人が沢山いるから不景気が続いてんだなって。

ユナ
そうかな。

マチコ
今、フツーに借金してる人どんだけいるかわかる?

ユナ
わかんない。

マチコ
私も知らないけど、あれだけ無人契約機が出来てるってコトはスゴイいるって思う のよね。

ユナ
そうだよね。お金カンタンに貸してくれるもんね。

マチコ
どうするの?お金。10万いるんでしょ。

ユナ
うん。まぁ。ミッツィーに相談する。

マチコ
そうそう、たまには出させなさいよ。ところで何に使うの10万も。借金?

ユナ
ちがう。私はまだしてない。

マチコ
する?カンタンに出来るよ。

ユナ
しない。

マチコ
それがイチバン。

ユナ
よね。

マチコ
お金なんてさ。

ユナ
何?

マチコ
ホントはたいしたモノじゃないのかもね。私たち、振り回されちゃって。

ユナ
別に私たちだけじゃないでしょ。

マチコ
お金なんかで人生左右されたくないよね。

ユナ
されるけどね。

マチコ
イヤな世の中ねぇ。

ユナ
楽しい部分もあるのよ、きっと。お金稼ぐことに生き甲斐感じてる人もいるんだから。

マチコ
私たちにとっちゃお金なんて、羽根の生えたムカツク紙切れよね。

ユナ
羽根生えてんだ。

マチコ
スグ飛んでっちゃうでしょ。でも誰のお金にだって生えてんのよ。お金持ちだっていつ飛んでっちゃうかわかんないのよ。

ユナ
じゃあ、羽根切っちゃってよ。

マチコ
そしたら人生変わるかな?

ユナ
でもさ、羽根が無かったら今度は私たちの所にも飛んでこないんじゃない?

マチコ
え?そかな。

ユナ
うん。切っちゃダメでしょ。たくさん飛んできてもらわなきゃ。

マチコ
そだね。じゃ、イコか。

ユナ
うん。じゃカバンよろしくね。

マチコ
まったく、余分なことしかしないんだから。あんたは。

ユナ
ごめんなさーい。

マチコ
もっとお金になることしなさいよね。

のんきに談笑しながら出ていく2人。

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